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NEJM誌から
抗ロイコトリエン薬は成人喘息管理の第1選択としても有用
約650人を対象とした無作為化試験の結果

 ロイコトリエン受容体拮抗薬LTRA)は、成人喘息の長期管理薬の第1選択として吸入ステロイドと同様の効果を持つこと、また、低用量吸入ステロイドに追加する場合には長時間作用型β2刺激薬と同様の有効性を示すことが、英国で行われた無作為化試験で明らかになった。英国Aberdeen大学のDavid Price氏らが、NEJM誌2011年5月5日号に報告した。

 現在の喘息治療ガイドラインは、軽症の持続性喘息患者に用いる長期管理薬の第1選択として吸入ステロイドを推奨している。だが、ステロイドは、炎症を仲介するロイコトリエンの作用を抑えられない。このため、喘息症状の管理において、LTRAも有用と考えられているが、これまでに行われた、ステロイドとLTRAを比較した無作為化試験では、明確な結果が得られていなかった。

 また、低用量の吸入ステロイドで症状が十分に管理できない患者に対するステップアップにおいては、吸入ステロイドの増量、LTRAまたは長時間作用型β2刺激薬の追加が検討される。これらの効果と安全性を調べた無作為化試験では、評価指標の違いによって、また割り付けから評価時点までの追跡期間の長さによって、効果に差が見られたり見られなかったりしている。

 その上、喘息治療に関する多くの無作為化試験が、試験デザインに適した理想的な患者を慎重に選抜し、登録している。そうした試験で得られた結果は、外来患者にそのまま適用できるとは限らない。

 そこで著者らは、より現実的な条件下で、成人の喘息治療におけるLTRAの有効性を評価するオープンラベルの多施設無作為化試験を行った。この試験は、(1)長期管理薬の使用を開始する患者を登録し、第1選択としてのLTRAの有効性を吸入ステロイドと比較する第1選択試験と、(2)既に吸入ステロイド療法を受けている患者に、長時間作用型β2刺激薬を追加した場合とLTRAを追加した場合を比較する追加薬試験、の2件を並行して行うもの。

 英国のプライマリケア53施設を受診した12~80歳の喘息患者の中から、長期管理薬の使用が必要とみなされた人々(第1選択試験)、または、吸入ステロイドを12週以上使用しているがステップアップが必要と見なされた人々(追加薬試験)を登録した。そのほかに、両試験に共通の組み入れ条件として、(1)短時間作用型β2刺激薬吸入後に測定した最大呼気流量(PEF)が予測値の50%超、(2)ベースラインで喘息関連QOLが不良(Mini Asthma Quality of Life Questionnaire;MiniAQLQのスコアが6以下)または喘息管理が不十分(喘息管理質問票ACQのスコアが1以上)、を設定した。

 MiniAQLQのスコアは、1から7の範囲で、高スコアほどQOLが良好であることを示す。0.5ポイント以上の変化は臨床的に意義があるとみなされる。ACQのスコアは0から6の範囲で、高スコアほど喘息の管理が不良であることを示す。やはり0.5ポイント以上の変化が、臨床的に意義があるとみなされる。

 両試験ともに、主要エンドポイントはMiniAQLQスコアに、2次エンドポイントはACQスコアや喘息の増悪回数などに設定。MiniAQLQの同等性の定義は、調整平均差の95%信頼区間が-0.3から0.3の間に入ること、とした。

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