日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
COPD増悪予防にはサルメテロールよりチオトロピウム
7384人を登録したPOET-COPD試験の結果

 中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患COPD)患者に増悪予防を目的として吸入薬を投与する場合、抗コリン薬のチオトロピウムとβ2刺激薬のサルメテロールのどちらがより有効なのだろうか。両剤を直接比較する大規模無作為化試験「POET-COPD」を行った独Giessen and Marburg大学のClaus Vogelmeier氏らは、チオトロピウムを投与した方が、増悪リスクと増悪の年間発生率が低いことを明らかにした。論文は、NEJM誌2011年3月24日号に掲載された。

 COPDに対する治療の主な目的の1つが増悪の予防だ。COPD治療ガイドラインは、中等度から極めて重症のCOPDの症状の緩和と増悪リスクの低減には長時間作用型気管支拡張薬の吸入を推奨し、長時間作用型の抗コリン薬あるいは長時間作用型のβ2刺激薬を第1選択としている。だが、これらのうちのどちらが望ましいのかは明記されていない。これら2剤を直接比較した試験は複数行われているが、質の高い研究はこれまでなかったからだ。

 そこで著者らは、いずれも長時間作用型の抗コリン薬チオトロピウムとβ2刺激薬サルメテロールのCOPD増悪予防効果を比較するため、ダブルダミー方式の二重盲検並行群間試験を、25カ国の725施設で行った。

 08年1月から09年4月まで患者登録を実施した。40歳以上で10箱-年(pack-years)以上の喫煙歴があり、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)が予測値の70%以下、1秒率(FEV1/努力肺活量)が70%以下という中等症から最重症のCOPD患者で、前年に増悪を経験していた7384人を登録。18μgのチオトロピウムを1日1回吸入(チオトロピウム群)、または50μgのサルメテロールを1日2回吸入(サルメテロール群)のいずれかに無作為に割り付け、1年間投与した(剤型の違いに応じてそれぞれ偽薬も投与した)。

 主要エンドポイントは初回増悪までの時間に設定。増悪はすべて中等度(ステロイド全身投与や抗菌薬投与を必要とする増悪)または重度(入院を必要とする増悪)のケースとした。割り付けられた薬剤を1回以上使用したチオトロピウム群の3707人とサルメテロール群の3669人を分析対象とした。

 追跡期間中に2691人が4411件の増悪を経験した。増悪を経験した患者は全体の36.5%と半数にも満たなかったため、主要エンドポイントの評価において初回増悪までの時間の中央値を比較することができなかった。そこで、全体の4分の1の患者が初回増悪を経験した時点で、割り付けから初回増悪までの日数を求めたところ、チオトロピウム群が187日、サルメテロール群が145日で、42日の差が認められた。

この記事を読んでいる人におすすめ