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NEJM誌から
喫煙者の肺間質異常陰影は肺気腫の存在と逆相関

 喫煙者においては、肺機能が正常で無症候であっても、高分解能CT(HRCT)画像に肺間質異常陰影が認められることが少なからずある。この異常陰影が何を意味するのかを明らかにするため、米Harvard大学のGeorge R. Washko氏らは、喫煙者を対象に異常陰影と全肺気量、肺気腫COPD(慢性閉塞性肺疾患)の関係を分析した。この結果、異常陰影あり群では、全肺気量が少なく、肺気腫とCOPDのリスクは低く、拘束性肺疾患のリスクが高いことが分かった。論文は、NEJM誌2011年3月10日号に掲載された。

 COPDと喫煙の関係については十分なデータがある。COPDは、肺実質の気腫性の損傷と全肺気量の増加を特徴とする。だが、喫煙がX線画像上に見られる肺間質の異常陰影とも関係することが示されており、その異常陰影が意味するものに関心が集まっていた。

 著者らはCOPDの遺伝的な背景を調べるために行われたCOPDGeneスタディに登録された喫煙者のデータとHRCT画像を利用して、間質の異常陰影と全肺気量や肺気腫重症度との関係を調べた。

 07年11月から10年4月にCOPDGeneスタディに登録された喫煙者で、10箱-年(pack-years)以上の喫煙歴がある人々の中から、高分解能CT(HRCT)画像が得られた2416人を対象に肺間質の異常陰影の有無を調べた。

 「異常陰影あり」は、画像上のどこかに、すりガラス陰影、網状影、小葉中心性に分布するびまん性結節影、非肺気腫性嚢胞、蜂巣肺、牽引性気管支拡張像などが認められ、その範囲が肺全体の5%を超える場合と定義した。

 回帰モデルを使用し共変数で調整した上で、HRCTに基づいて推定した全肺気量、肺気腫の重症度と肺間質の異常陰影の関係を調べた。

 2416人のうち1060人(44%)が現在の喫煙者で、1002人(41%)がCOPDの診断基準(GOLD)を満たしていた。

 間質の異常陰影は2416人のうち194人(8%)に認められた。1361人(56%)は異常陰影なし、861人(36%)については明確な結果が得られなかった。

 間質の異常陰影が認められた群では、全肺気量が減少していた(-0.444 L、95%信頼区間-0.596から-0.292、P<0.001)。

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