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NEJM誌から
ビタミンK拮抗薬が適さない心房細動患者にアピキサバンが有効
二重盲検試験AVERROESの結果

 脳卒中リスクが高いがビタミンK拮抗薬が使用できない心房細動患者を対象に、アスピリンアピキサバンの有効性と安全性を比較した無作為化試験の結果が、NEJM誌電子版に2011年2月10日に掲載された。カナダMcMaster大学Population Health Research InstituteのStuart J. Connolly氏らは、アピキサバンが、出血リスクを上昇させることなく脳卒中または全身性塞栓症のリスクを半減できることを明らかにした。

 心房細動患者におけるビタミンK拮抗薬の脳卒中予防効果はアスピリンより高い。だが、ビタミンK拮抗薬の作用の個人差は大きく、使用期間中は血液凝固能の細やかなモニタリングと用量調整が必要で、こうした特性が心房細動患者への広範な適用や継続的な投与を妨げている。

 ビタミンK拮抗薬が適応にならない患者や、これを好まない患者にはアスピリンが用いられるが、より良い抗血栓薬の必要性は高い。血液凝固第Xa因子阻害薬アピキサバンは、こうした患者の脳卒中リスク低減に役立つ可能性がある。

 著者らは、アピキサバンの有用性を評価する二重盲検の無作為化試験AVERROES(Apixaban Versus Acetylsalicylic Acid [ASA] to Prevent Stroke in Atrial Fibrillation Patients Who Have Failed or Are Unsuitable for Vitamin K Antagonist Treatment)を36カ国の522施設で実施した。

 07年9月10日から09年12月23日まで患者登録を行った。脳卒中の危険因子(脳卒中歴または一過性脳虚血発作歴あり、75歳以上、治療中の高血圧、治療中の糖尿病、NYHA分類でクラスII以上の心不全、左室区出分画が35%以下、末梢動脈疾患)を1つ以上保有する心房細動患者で、ビタミンK拮抗薬が適さない(いったん投与されたが適さなかった、または、適さないと予想される、もしくは本人が使用を好まない)50歳以上の5599人を登録。アピキサバン(5mgを1日2回)またはアスピリン(81mg/日から324mg/日)に割り付けた。アピキサバンの用量は、80歳以上の患者、体重が60kg以下の患者、またはクレアチニン値が1.5mg/dL以上の患者については2.5mgを1日2回投与とした。全体の7%の患者に2.5mgが適用された。アスピリンの用量の選択は各地の研究者に任せた。

 主要エンドポイントは、脳卒中または全身性塞栓症に設定された。

 登録された患者の40%はビタミンK拮抗薬使用歴を持っていた。21%は、脳卒中リスクはさほど高くないと判断されて適応対象から外されていた。37%の患者はビタミンK拮抗薬の使用を拒否していた。

 データ安全性監視委員会は10年2月19日に行った中間解析で、アピキサバンの利益は明白であるとして早期中止を勧告、試験は中止された。中止時点の平均追跡期間は1.1年だった。

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