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NEJM誌から
リファキシミンが過敏性腸症候群患者の症状を軽減

 過敏性腸症候群IBS)の症状軽減に、リファマイシン系抗菌薬のリファキシミンが有効であることが、2件の無作為化フェーズ3試験で明らかになった。2週間の投与で得られた利益は、その後10週間持続したという。米Cedars-Sinai Medical CenterのMark Pimentel氏らが、NEJM誌2011年1月6日号に報告した。

 IBSは、腸管の構造的・生化学的な異常がなく、炎症も見られないにもかかわらず、腹痛、腹部膨満感、腸機能の変化が繰り返し現れる状態を指す。薬物療法や生活改善、心理療法などが適用されるが、既存のどの治療を受けても改善が見られない患者が少なからず存在する。

 IBSの病態生理に腸内細菌叢が重要な役割を果たす可能性が示唆されて以降、腸内細菌に焦点を当てた抗菌薬の効果を調べる試験が行われてきた。だが、現在までに十分な有効性は確認されておらず、有害事象による用量制限が問題になっている。

 そこで著者らは、リファマイシン系抗菌薬リファキシミンに注目した。リファキシミンは経口摂取後、腸管からほとんど吸収されず、97%は糞便中に排出される。血中への移行はわずかで、ほぼ腸管内だけで作用するため、大量投与しても全身性の有害事象は発生しにくい。欧米では主に、大腸菌による旅行者下痢の治療に用いられている。

 著者らはリファキシミンのIBS治療における安全性と有効性を評価するために、二重盲検の無作為化フェーズ3試験2件(TARGET 1とTARGET 2)を08年6月から09年8月に実施した。これら試験の設計は同様だった。

 18歳以上で、過去2年間に結腸鏡検査を受けており、ローマII基準に基づいてIBSと診断されている、便秘ではない人々1260人(TARGET 1は623人、TARGET 2は637人)を登録。リファキシミン550mg(計625人)または偽薬(計635人)に割り付け、1日3回、2週間投与し、その後10週間追跡した。

 患者は、腹痛と腹部膨満感について、1日の症状の平均を7ポイントのリッカート尺度を用いて記録(スコア0は全くなし、スコア6は非常に深刻)、便の軟度については5ポイントの尺度を用いて記録(1は非常に硬い、5は水様便)した。

 主要エンドポイントは、治療終了から4週の間に2週以上にわたって、IBS症状全般が軽減した患者の割合に設定。症状全般の軽減の有無は、「過去7日間のIBSのすべての症状について、服薬開始以前に比べ十分に軽くなったと感じるか」という質問に対する回答を元に判断した。2次エンドポイントは、同様の基準でIBS関連の腹部膨満感が軽減したと感じた患者の割合などに設定した。

 分析は、1回以上割り付け薬を使用した1258人の患者を対象にmodified intention-to-treatで行った。

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