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NEJM誌から
エプレレノンが軽症心不全患者の死亡・入院を低減

 選択性の高い鉱質コルチコイド受容体拮抗薬であるエプレレノンを、標準治療と共に軽症の慢性収縮期心不全患者に用いると、偽薬に比べ死亡リスクと入院リスクの有意な低減がみられることが、無作為化試験EMPHASIS-HFで明らかになった。論文は、仏国立衛生医学研究所(INSERM)のFaiez Zannad氏らがNEJM誌電子版に2010年11月14日に報告した。

 アルドステロンやコルチゾールによる鉱質コルチコイド受容体の活性化は、心血管疾患患者に有害な作用をもたらす。鉱質コルチコイド受容体拮抗薬のスピロノラクトンについては、中等症~重症(NYHA分類でクラスIIIまたはIV)の収縮期心不全患者の全死因死亡と心血管イベントによる入院を減らすとの報告がある。エプレレノンも、左室収縮機能障害と心不全を合併した急性心不全患者の全死因死亡と心血管イベントによる入院のリスクを低減することが示されている。こうしたデータに基づき、現行のガイドラインは、中等症~重症の慢性収縮期心不全患者と、心筋梗塞に心不全を合併した患者に対する鉱質コルチコイド受容体拮抗薬の投与を推奨している。

 著者らは今回、症状は軽いが慢性の収縮期心不全とみなされた患者に対するエプレレノンの有効性と安全性を調べるために、06年3月30日から10年5月25日まで、29カ国278施設で二重盲検の無作為化試験を実施した。

 登録条件は、(1)55歳以上、(2)NYHA分類でクラスII、(3)駆出分画が30%以下(または、30%超35%以下で、心電図のQRS間隔が130msec超)、(4)ACE阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のいずれかまたは両方とβ遮断薬が併用されており、推奨用量または最大耐用量投与されている、(5)過去6カ月間に心血管イベントによる入院歴がある(または入院歴はないが血清BNP値が250pg/mL以上、もしくはNT-proBNPが男性で500pg/mL以上、女性では750pg/mL以上)―とした。

 条件を満たした2737人を登録し、無作為にエプレレノン(1364人、平均年齢68.7歳)または偽薬(1373人、68.6歳)に割り付けた。エプレレノンの開始用量は25mg/日として最高50mg/日まで増量し、血清カリウム濃度を指標に用量を調整した。全員に、ガイドラインが推奨している標準的な治療を実施した。

 主要アウトカム評価指標は、心血管死亡または心不全による入院からなる複合イベントに設定、2次評価指標として、心不全による入院、全死因死亡、心血管死亡、あらゆる原因による入院などについても分析した。

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