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NEJM誌から
吸ステ+チオトロピウムがLABA併用に劣らぬ効果
(2010.10.12訂正)

 ステロイド吸入で管理不十分な成人喘息患者に対し、吸入ステロイドと臭化チオトロピウムを併用すると、吸入ステロイドを2倍量にした場合に優る症状軽減と肺機能向上が得られること、また、その効果は、吸入ステロイドと長時間作動型β刺激薬(LABA)を併用した場合に劣らないことが、無作為化試験で明らかになった。米Wake Forest大学のStephen P. Peters氏らが、NEJM誌電子版に2010年9月19日に報告した。

 低用量から中用量の吸入ステロイドだけでは症状の管理が十分に行えない成人喘息患者は少なくない。治療の選択肢としては、LABAの追加、吸入ステロイド増量などが挙げられる。だが、先に米食品医薬品局(FDA)と喘息の専門家がLABAの安全性に懸念を発表し、使用を最小限に抑える治療戦略を提案したため、LABAの代替となる治療薬の必要性が高まっている。

 臭化チオトロピウムは長時間作動型抗コリン薬で、米国では2004年からCOPDの治療に用いられているが、喘息は適応疾患ではない。

 著者らは、吸入ステロイドで管理不十分な成人喘息患者には、吸入ステロイド増量より、チオトロピウムと吸入ステロイドを併用した方が有効と仮定し、これらを比較する優越性検証と、チオトロピウムと吸入ステロイドの併用をLABAと吸入ステロイドを併用した場合と比較する非劣性検証を行うべく、無作為化トリプルダミークロスオーバー試験TALCを設計した。

 2007年6月から患者登録を実施。18歳以上の喘息患者で、努力肺活量の1秒量(FEV1)が予測値の40%超、喫煙歴なしまたは少量(10箱年未満)といった患者を対象に、4週間のランイン期間を開始。吸入ステロイドのベクロメタゾン80μgの1日2回吸入のみを行い、4週目のベクロメタゾン使用遵守率が75%以上で、FEV1が予測値の40%超、かつほかの喘息治療薬を必要としなかった患者を選出。この中から、チオトロピウムが医学的に禁忌でなく、以下のいずれかの条件を満たした210人(平均年齢は42.2歳、喘息歴は26.1年)を登録した:(1)4週の時点でFEV1が予測値の70%以下、(2)3~4週目に週6日以上症状があった、(3)3~4週目に週6日以上レスキュー気管支拡張薬吸入があった、(4)3~4週目に週2晩以上喘息症状により目覚めた。

 これらの患者を3群に分け、(1)ランイン期間と同量のベクロメタゾン+臭化チオトロピウム(18μgを朝1回吸入)、(2)ベクロメタゾン2倍量(160μgを1日2回)、(3)ランイン期間と同量のベクロメタゾン+LABAのサルメテロール(50μgを1日2回)―のいずれかに割り付け、14週間治療を実施。その後、2週間のウォッシュアウト期間(ステロイド吸入のみ)を経て、それぞれ次のレジメンを開始し、すべての患者が3通りの治療を経験した時点で試験を終了した。治療開始前とウォッシュアウト期間の評価値を、その後続けて行う介入に対するベースラインデータとした。

 主要エンドポイントは、朝のピークフロー(PEF)に設定。加えて、肺機能の指標と喘息がコントロールできた(=症状なし、気管支拡張薬のレスキュー使用なし)日数などについて比較した。

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