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NEJM誌から
クロピド倍量投与、登録患者全体ではイベント減らさず
CURRENT-OASIS 7試験の結果その2

 急性冠症候群で侵襲的治療が必要と判断された患者の心血管イベントに対する、クロピドグレル標準用量と2倍量、アスピリン低用量と高用量の影響を比較したCURRENT-OASIS 7試験の、もう1つの解析結果がNEJM誌電子版に2010年9月2日に報告された。論文をまとめたカナダMCMASTER大学のShamir R. Mehta氏らによると、PCIを受けた患者に限定せず、すべての登録患者を対象に分析した場合、どの用量を用いても転帰に有意な差はないという結果が得られたという。

 CURRENT-OASIS 7の結果はこれまでにも学会発表されている。特に、CURRENT STEMI PCIコホートと呼ばれる一部の患者(ST上昇急性心筋梗塞でPCIを受けた集団)を対象とする分析で、クロピドグレル2倍量が出血リスクを高めることなく心血管イベントを予防する可能性が示されたために、より広範な患者に対する倍量投与の利益を示すデータが待たれていた。

 この論文の1日前にLancet誌に報告されたCURRENT-OASIS 7の結果(その1)は、実際にPCIを受けた患者にはクロピドグレル2倍量が有効であることを示唆したが、「その2」となるこちらの分析では、登録された患者すべてを分析対象にすると、心血管イベント発生率については標準用量と2倍量の間の差はなく、出血リスクは2倍量群で有意に高いことが明らかになった。

 著者らは、2通りの用量のクロピドグレルと2通りの用量のアスピリンが、侵襲的治療可能施設に紹介された急性冠症候群患者(ST上昇の有無は問わない)の主要な心血管イベントや出血のリスクに及ぼす影響を評価するために、2×2ファクトリアルデザインのCURRENT-OASIS 7試験を計画。06年6月から09年7月まで、39カ国の597施設で実施した。

 2万5086人の患者を登録し、1万2520人を2倍量のクロピドグレル(600mgを負荷用量とし、2~7日は150mg、それ以降は75mg/日)、1万2566人を標準用量のクロピドグレル(300mgを負荷用量とし、2日目以降は75mg/日)に割り付けた。

 登録患者全員についてアスピリンの負荷用量は300mg以上とした上で、クロピドグレル2倍量群のうち6253人、標準用量群のうち6254人を高用量アスピリン(300~325mg/日)に、2倍量群の残り6267人、標準用量群の残り6312人を低用量アスピリン(75~100mg/日)に割り付けた。

 他の抗凝固薬、GP IIb/IIIa拮抗薬、スタチンなどの処方は担当医の判断に任せた。

 主要アウトカム評価指標は、割り付けから30日の時点の心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中を合わせた複合イベントに設定。2次評価指標は、複合イベント+虚血再発、この複合イベントを構成する個々のイベント、全死因死亡などとした。

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