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NEJM誌から
心筋梗塞既往者がn-3脂肪酸を摂取しても利益なし

 心筋梗塞歴があり薬物療法を受けている患者が、海産のオメガ-3(n-3)脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)と、植物由来のαリノレン酸(ALA)を40カ月摂取しても、心血管イベントの発生率は減らない―。そんな多施設無作為化試験の結果を、米Wageningen大学のDaan Kromhout氏らがNEJM誌電子版に2010年8月29日に報告した。

 これまでに行われた前向きコホート研究などの結果は、n-3脂肪酸の心血管疾患予防効果を示していた。

 今回著者らは、n-3脂肪酸の心血管イベントへの影響を比較する2×2ファクトリアルデザインの無作為化試験を計画。オランダの32施設で、02年4月から06年12月まで患者登録を実施した。60~80歳で心筋梗塞歴があり、降圧薬、抗血栓薬、脂質降下薬の投与を受けている4837人(78.2%が男性)を登録。二重盲検法で以下のマーガリン4種のいずれかに割り付けて、自宅で使用している製品の代わりに40カ月間使用するよう指示した。

 介入マーガリンは、通常含まれているオレイン酸をn-3脂肪酸に置き換えたもので、添加されたEPA、DHA、ALAの量は食事を介した1日摂取推奨許容量に相当する。
(1)EPAとDHAを合わせて400mg/日追加摂取できるマーガリン。EPAとDHAの比は3:2(1192人)
(2)ALA を2g/日追加摂取できるマーガリン(1197人)
(3)EPA、DHA、ALAを(1)および(2)と同量摂取できるマーガリン(1212人)
(4)プラセボマーガリン(1236人)

 主要エンドポイントは、主要な心血管イベント(致死的または非致死的心血管イベント、PCI/CABG施行)に設定。分析はintention-to-treatで行った。

 患者は心筋梗塞から中央値3.7年でこの試験に登録されていた。21.0%の患者が糖尿病で、97.5%が抗血栓薬を使用しており、89.7%が降圧薬、86.0%が脂質降下薬の投与を受けていた。

 追跡期間の中央値は40.8カ月だった。

 ベースラインの魚の摂取量は14.9g/日、EPA-DHAの摂取量は130mg/日だった。

 試験期間中に患者は平均18.8g/日のマーガリンを食べており、これにより各介入群が摂取できたのはEPA 226mg、DHA 150mg、ALA 1.9gだった。

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