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NEJM誌から
太極拳が線維筋痛症の症状軽減とQOL改善に有効

 日本でも線維筋痛症に対する関心が高まっている。欧米では一般に、薬物療法に認知行動療法、教育、運動などを組み合わせた治療が行われている。米Tufts大学のChenchen Wang氏らは、無作為化試験を行い、薬物療法を受けている患者が太極拳を行うと、症状の軽減やQOL改善が見られることを明らかにした。論文は、NEJM誌2010年8月19日号に報告された。

 先に行われた小規模な非無作為化試験は、線維筋痛症患者の症状軽減とQOL向上に太極拳が役立つことを示唆していた。そこで著者らは、線維筋痛症患者の身体機能と精神面に太極拳が及ぼす影響を評価する、より規模の大きい無作為化試験を行うことにした。

 07年7月から09年5月まで、Tufts大学医療センターで、米リウマチ学会の90年の診断基準に基づいて線維筋痛症と診断された21歳以上の患者を対象に単盲検試験を実施した。66人(平均年齢50歳、86%が女性)の患者を登録、無作為に古式楊式太極拳(33人)、または、線維筋痛症患者の健康管理に役立つ教育+ストレッチ(33人)に割り付けた。治療薬の投与はそれまでと同様に継続した。

 両群ともに60分のセッションを週2回、12週間行った。太極拳群には、DVDを見ながら自宅で毎日20分以上太極拳を実践するよう指導し、教育+ストレッチ群にも毎日20分以上自宅でストレッチを行うよう指示した。

 主要エンドポイントは、12週の時点の線維筋痛症質問票(FIQ)のスコアに設定。FIQは、痛みの強さ、身体機能、疲労、こわばり、うつ、不安などについて評価する自己申告式のスコアで、合計は0から100の範囲。高スコアはより重症であることを意味する。2次エンドポイントは、QOL指標であるSF-36の身体機能面のスコアと精神的健康面のスコアなどとした。SF-36は、高スコアほど状態良好を意味する。

 なお、割り付けられた治療が終了した後も反応が持続するかどうかを調べるために、24週時にも同様の評価を行った。

 登録された患者の線維筋痛症歴は平均11年だった。セッションへの参加率は、太極拳群が77%、教育+ストレッチ群が70%だった。

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