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NEJM誌から
糖尿病性網膜症の進行は血糖と脂質の厳格管理で抑制可能
ACCORD Eye試験の結果

 2型糖尿病患者の血糖値、血中脂質量、血圧を厳格に管理すれば、糖尿病性網膜症の進行を抑制できるのではないか。この仮説を検証するため、無作為化試験ACCORDに登録された患者を分析したACCORD Study Group and ACCORD Eye Study Groupの研究者らは、厳格な血糖管理と厳格な脂質降下治療は網膜症の進行を遅らせることを明らかにした。一方、厳格な血圧管理は網膜症の転帰に影響を与えていなかった。論文は、NEJM誌2010年7月15日号に掲載された。

 ACCORD試験は、2型糖尿病で心血管リスクが高い患者1万251人を対象に行われた。全員を血糖の厳格管理(HbA1c目標域は6.0%未満)または標準管理(HbA1c目標域は7.0~7.9%)に割り付け、それらのうちベースラインで脂質異常症(この試験の場合は低HDLコレステロール〔HDL-c〕血症)と診断された5518人を、厳格な血中脂質量管理(フェノフィブラート160mg/日+シンバスタチン)または標準的な血中脂質量管理(偽薬とシンバスタチン)に割り付けた。脂質異常症がなかった4733人は、収縮期血圧の目標域を120mmHg未満とする血圧厳格管理、または、目標域を120mmHg以上140mmHg未満とする標準管理に割り付けた。

 糖尿病性網膜症の進行に対するこれら介入の影響を評価するACCORD Eye試験では、割り付けから4年後に計2856人(平均年齢は61.6歳)からなるサブグループを分析した。

 2856人のうち、血糖値管理が厳格に行われた患者は1429人(61.6歳)、標準的だったのは1427人(61.5歳)。それらのうち806人(61.9歳)が脂質異常症に対する厳格な管理を、787人(61.5歳)が標準管理を受けていた。収縮期血圧が厳格に管理されたのは647人(61.3歳)、標準的に管理されていたのは616人(61.5歳)だった。

 7分割の立体眼底像をもとに、糖尿病網膜症早期治療研究(ETDRD)の重症度スケールにおいて3段階以上進行(重症度は17段階に分類され、段階が高いほど網膜症は重症)した患者、またはレーザー光凝固か硝子体切除が適用された患者を、網膜症が進行したと判断した。

 2856人のベースラインのHbA1cの中央値は8.0%だった。1年後には厳格管理群は6.4%、標準管理群は7.5%になった(P<0.001)。

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