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NEJM誌から
NASHにビタミンE投与で有意な組織学的改善
ピオグリタゾンでも2次評価指標に改善認める(2010.5.24訂正)

 非アルコール性脂肪性肝炎NASH)の患者に抗酸化薬(ビタミンE)またはインスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン)を96週間投与した無作為化試験で、ビタミンE投与群において有意な組織学的改善が見られることが分かった。ピオグリタゾン投与群では同指標に有意差は認められなかったものの、2次評価指標の多くで有意な改善を認めた。米Indiana 大学のArun J. Sanyal氏らが、NEJM誌電子版に2010年4月28日に報告した。

 NASHは比較的多い肝疾患で、組織学的には、脂肪変性、肝葉の炎症、肝細胞の風船化を特徴とする。最高で15%が肝硬変に移行すると報告されているが、確立された治療法はない。

 NASHは、インスリン抵抗性、肥満、高トリグリセリド血症、2型糖尿病などと密接に関係している。またNASH患者の肝臓の損傷には酸化ストレスが役割を果たすという報告がある。いくつかの予備的な研究は、インスリン抵抗性改善薬と抗酸化薬が、NASH患者に臨床的、組織学的改善をもたらすことを示唆していた。

 そこで、著者らNASH CRN(Nonalcoholic Steatohepatitis Clinical Research Network)のメンバーは、ピオグリタゾンとビタミンEのNASH治療における有効性を偽薬と比較するフェーズ3多施設試験PIVENSを実施した。

 05年1月から07年1月まで患者登録を実施。糖尿病ではない、生検により診断された成人NASH患者247人(平均年齢46.3歳)を登録。ピオグリタゾン30mg/日(80人)、ビタミンE 800IU/日(84人)、偽薬(83人)のいずれかに割り付けて96週間投与した。全員に生活改善を勧めた。

 主要アウトカム評価指標は、NASHの組織学的改善に設定。具体的には、以下の条件を満たす患者の割合を比較とした:肝細胞の風船化のスコア(0~2ポイントで評価。スコアが高いほど重症)が1ポイント以上改善、線維化スコア(0~4ポイント)に悪化なし、疾患活動性スコア(脂肪変性について0~3ポイント、肝葉の炎症について0~3ポイント、肝細胞の風船化について0~2ポイントで評価し、合計したスコア)が3以下に低下または2ポイント以上低下(肝葉炎症または脂肪変性のいずれかのスコアが少なくとも1ポイント低下していることを条件とする)した患者。比較においては、Bonferroni法で補正したP値が0.025未満の場合を統計学的に有意な差とした。

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