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NEJM誌から
心房細動患者の心拍数管理、緩やかでも転帰劣らず

 心房細動患者の心拍数のコントロールにおいて、ガイドラインに沿って厳格に管理する治療と、より緩やかな目標値を目指す治療とで、転帰に差がないことが明らかになった。オランダGroningen大学のIsabelle C. Van Gelder氏らが行った無作為化試験によるもので、論文は、NEJM誌2010年4月15日号に掲載された。

 心房細動に対する治療の1つとして、心拍数のコントロールが行われる。現行のガイドラインは、目標とすべき心拍数を低く設定し、厳格な管理を推奨しているが、これは経験的な判断であり、エビデンスに基づく指示ではない。

 著者らは、「永続性心房細動患者において、心拍数を緩やかに管理する方法がもたらす心血管イベントと心血管死亡の予防効果は、心拍数を厳格に管理する方法に劣らない」と仮定し、これを検証するため、オープンラベルの多施設試験RACE IIを行った。

 RACE IIの患者登録は、オランダ国内の33施設で05年1月から07年6月まで行われた。

 12カ月以上にわたって永続性心房細動が見られる80歳以下の患者で、安静時の平均心拍数が80/分超、経口抗凝固薬またはアスピリンの投与を受けている614人の患者を登録。無作為に、緩やかな管理(安静時に110/分未満が目標:311人)または厳格な管理(安静時は80/分未満、適度な運動時には110/拍未満が目標:303人)に割り付けた。用量調節期間中は、陰性変伝導作用を持つ薬剤(β遮断薬、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、ジゴキシン)を様々な用量で単剤投与または併用し、目標達成を目指した。

 主要アウトカム評価指標は、心血管死亡、心不全による入院、脳卒中、全身性塞栓症、大出血、生命を脅かす不整脈イベント(失神、抗不整脈薬の重症有害事象、持続性の心室頻脈または心室細動、心停止、除細動器植え込み、ペースメーカー植え込み)からなる複合イベントに設定。非劣性のマージンは、イベント発生率の絶対差の90%信頼区間の上限が10パーセンテージポイント未満に設定した。

 追跡期間は3年間、または09年6月30日までとした。

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