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NEJM誌から
2型糖尿病患者への脂質降下薬2剤併用は推奨されない
ACCORD lipid試験の結果

 2型糖尿病患者の心血管リスクは、複数の脂質降下薬の併用によって低減できるのではないか。そう考えた米Columbia大学Henry N. Ginsberg氏らは、この仮説を検証するためACCORD lipid試験を行った。だが、スタチンのみを投与した患者と、スタチンに加えてフィブラートを投与した患者の心血管イベント発生率に差は見られなかった。論文は、NEJM誌電子版に2010年3月14日に掲載された。

 2型糖尿病患者の心血管リスク上昇には、高血圧や脂質異常症が関与している可能性がある。スタチンは2型糖尿病患者にも有効だが、スタチンを使用している患者においても、心血管リスクは糖尿病ではない人々に比べ高い。これまでに行われた研究では、糖尿病患者にフィブラートを投与すると、少なくとも一部の2型糖尿病患者の心血管リスクが低下することを示す結果が得られていた。だが、スタチンとフィブラートの併用が心血管リスクに及ぼす影響を調べた研究はこれまでなかった。

 著者らは、心血管リスクの高い2型糖尿病患者にスタチンとフィブラートを併用すれば、スタチンのみを使用した場合に比べて心血管リスクが低下するのではないかと考え、ACCORD lipid試験を行った。

 ACCORD lipid試験の本体であるACCORD試験(関連記事参照)は、2型糖尿病患者を対象に、血糖値を厳格に管理した場合と、標準的なレベルを目標とした場合の心血管イベント発生率を比較した研究で、米国とカナダの77施設でハイリスクの2型糖尿患者1万251人を登録した。このうち4733人は、さらに血圧の厳格管理または標準管理のいずれかに割り付けられ(ACCORD BP試験、関連記事参照)、残りの5518人が、シンバスタチン+フェノフィブラートまたはシンバスタチン+偽薬のいずれかに割り付けられた(ACCORD lipid試験)。

 ACCORD lipid試験では、オープンラベルでシンバスタチンを投与している2型糖尿病患者を、無作為にフェノフィブラート(2765人、平均年齢62.2歳)または偽薬(2753人、62.3歳)に割り付けた。用量はその時点のガイドライン通りとし、ガイドラインが変更された場合にはこれに従った。

 主要エンドポイントは、複合イベント(初回非致死的心筋梗塞、初回非致死的脳卒中、心血管死亡)の発生に設定。

 追跡期間の平均は、主要エンドポイントについては4.7年、死亡については5.0年だった。

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