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NEJM誌から
難治性のアタマジラミ駆除にイベルメクチン内服が有効
マラチオンローションよりも駆除完了率が10%高い

 集団生活をする小児のアタマジラミ感染は先進国でも問題になっている。仏パリ第6大学(ピエール・アンド・マリー・キュリー大学)のOlivier Chosidow氏らは、薬剤耐性獲得が示唆されたアタマジラミに感染した人の属する世帯を対象に無作為化試験を行い、マラチオンローションを2回局所に塗布する方法より、イベルメクチンを2回内服する方法の方が駆除率が高いことを明らかにした。論文はNEJM誌2010年3月11日号に掲載された。

 アタマジラミの発生は、特に3~11歳の子どもに多く見られる。一般に、ピレスロイド系殺虫剤やマラチオン(本邦では使用されていない)などの液状駆除剤を7~11日間隔で2回局所に塗布する治療が行われている。

 ただ、殺虫剤を高濃度に含むローションを頭全体に適切に塗布するのは手間がかかる上に、これらの薬剤、特にピレスロイド系薬剤に対する耐性獲得が近年問題になっている。代替とされてきたマラチオンに対する耐性を得たアタマジラミも増えつつあり、殺虫剤を含まない代替薬(ジメチコンローションなど)や、物理的駆除を代替として用いた場合の有効性については議論がある。

 一方、イベルメクチンは、腸管糞線虫症と疥癬(ヒゼンダニによる皮膚感染症)に対する経口治療薬として本邦でも承認されている。

 今回著者らは、イベルメクチンの経口投与とマラチオンの局所塗布を比較する二重盲検のダブルダミー多施設試験を、2004年3月9日から9月14日まで、英国の4施設とアイルランド、フランス、イスラエルのそれぞれ1施設で実施した。

 アタマジラミ感染は、目の細かいくしで髪をすくことによって確認し、監視した。

 アタマジラミが見付かった発端患者が属する世帯をクラスターとした。このうち、(1)世帯の2歳以上、体重15kg以上の家族にもアタマジラミ感染がある、(2)発端患者を含む感染家族の1人以上が、登録前2~6週の間に駆除剤の局所塗布を受けたが駆除を達成していない、という条件を満たす376世帯の感染者812人を登録。無作為に、イベルメクチンの経口投与(400μg/kg、185世帯の398人)または0.5%マラチオン(医療施設で塗布し、十分に乾燥した段階で帰宅を許可、191世帯の414人)に割り付けた。いずれも1日目と8日目に投与した。

 登録患者には、櫛や帽子を家族で共用しない、頭と頭を接触させない、割り付けられた治療以外のシラミ駆除法を用いないといった注意を与えた。

 主要エンドポイントは15日目の駆除完了に設定。さらに、15日後の時点で、アタマジラミが発見された患者を選んでクロスオーバー延長試験を行った。

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