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NEJM誌から
小児喘息のステップアップに最適なレジメンは?
LABA追加に反応する患者が最多だが、個人差も大きい

 小児の喘息患者の中には、低用量吸入ステロイドではコントロールが不十分な患者が少なからず存在する。米Wisconsin大学のRobert F. Lemanske氏らは、そうした患者に用いるべきステップアップレジメンの選択を助けるために、3通りのレジメンを比較する無作為化試験を実施した。その結果、LABA(長時間作動性β2刺激薬)に反応する患者が最も多かった。論文は、NEJM誌電子版に2010年3月2日に掲載された。

 現在のところ、軽症から中等症の小児喘息患者に、どのステップアップレジメンを適用すればよいかの判断に役立つ情報は不足している。

 そこで著者らは、3通りのレジメンに対する患者の反応性の差を、3通りの評価指標を用いて比較するトリプルクロスオーバーBADGER試験を行った。同時に、ベースラインの患者特性の中から、最も高い反応が得られるレジメンを予測するために役立つ要因の同定も試みた。

 2007年3月から2008年7月に、Childhood Asthma Research and Education(CARE)Network centersで患者登録を行った。フルチカゾン100μgを1日2回投与してもコントロールが不十分な6~17歳の小児喘息患者182人を登録。無作為に以下の3通りのステップアップレジメンに割り付けた。

・ICS(吸入ステロイド)レジメン:フルチカゾン250μgを1日2回

・LABA(長時間作動性β2刺激薬)レジメン:フルチカゾン100μgを1日2回+長時間作動性β2刺激薬50μgを1日2回

・LTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬)レジメン:フルチカゾン100μgを1日2回+ロイコトリエン受容体拮抗薬5~10mgを1日1回

 どの患者も、それぞれのレジメンを16週間継続して次のレジメンに変更することを繰り返し、48週間に3つの治療のすべてを受けた。

 主要エンドポイントは、これらレジメンの間に見られた反応性の差に設定した。

 反応性の比較には以下の3つの基準を用いた。(1)経口ステロイド治療が必要な増悪、(2)喘息がコントロールできた日数(アルブテロールのレスキュー使用が不要、試験薬以外の薬剤は不要、夜間と昼間に喘息症状なし、予定外の受診なし、最大呼気流量が参照値の80%未満にならない)、(3)FEV1(努力肺活量測定の最初の1秒間の努力呼気量)。

 この3つの基準を用いた比較で、1つのレジメンについて以下の条件のいずれかが満たされた場合、もう一方のレジメンに対してよりも反応したと判定した。(1)治療期間中に投与された経口プレドニゾンの総量が、もう一方のレジメンの時より180mg以上少ない、(2)治療期間の中盤~後半の12週の間に喘息をコントロールできた日数に基づいて年間の喘息コントロール日数を計算すると、もう一方のレジメンより31日以上多くなる、(3)治療期間終了時のFEV1が5%以上高い。

 以上3つの条件のいずれも満たされない場合は、比較対象となった2つのレジメンに対する反応は同等と判定した。

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