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NEJM誌から
ラソフォキシフェンが閉経女性の乳癌リスクや冠イベントも低減
骨粗鬆症を有する8556人を5年間追跡した無作為化試験の結果

 非ステロイド系選択的エストロゲン受容体モジュレーターSERM)のラソフォキシフェンは、閉経女性において骨吸収を抑制し、LDLコレステロール(LDL-c)値を下げる働きを持つ。このほど米California大学San Francisco校のSteven R. Cummings氏らが行った無作為化試験で、ラソフォキシフェン0.5mg/日の投与は、閉経女性の脊椎骨折、非脊椎骨折、ER陽性乳癌、主要な冠イベント、脳卒中のリスクを低減することが明らかになった。詳細は、NEJM誌2010年2月25日号に報告された。

 著者らは、32カ国の113施設で、骨粗鬆症を有する閉経女性の骨折乳癌心血管疾患リスクにラソフォキシフェンが及ぼす影響を調べる国際的な無作為化試験PEARL(post-menopausal evaluation and risk-reduction with Lasofoxifene)を実施した。

 自己申告では健康状態が良好または非常に良好だが、大腿骨頸部または腰椎の骨密度を示すTスコアが-2.5以下で、過去6カ月間にマンモグラフィーを用いた乳癌検査の結果が陰性だった59~80歳の女性を登録した。

 ランイン期間を6~8週設けて、カルシウム1gとビタミンD 400~800IUに加えて偽薬を投与。この間の服薬遵守率が75%以上だった女性8556人(平均年齢67歳)を、ラソフォキシフェン0.25mgまたは0.5mg、もしくは偽薬に割り付け、1日1回5年間投与した。カルシウムとビタミンDの投与は継続した。

 脊椎側面X線撮影を12カ月時、24カ月時、36カ月時、60カ月時に実施し、脊椎骨折の有無を判定。非脊椎骨折はX線撮影により確認した。頭蓋骨、顔面骨、指骨、趾骨の骨折は除外した。

 冠動脈イベントは、冠疾患死亡、非致死的心筋梗塞、冠動脈血行再建術施行、確認された虚血性心疾患、不安定狭心症による入院とした。

 ベースラインと3年時に空腹時採血し、HDL-c、LDL-c、トリグリセリド、CRP値などを測定した。

 主要エンドポイントは、脊椎骨折(3年間)と、エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌(5年間)、非脊椎骨折(5年間)に設定。2次エンドポイントは主要な冠動脈イベントと脳卒中などとし、分析はintention-to-treatで行った。

 5年間の評価を完了したのは6614人(77.3%)だった。

 3年間の1000人-年当たりの脊椎骨折の発生率は、ラソフォキシフェン0.25mg群(介入群)が16.6、偽薬群(対照群)が23.0で、差は6.4(95%信頼区間1.9-10.8)。ハザード比は0.69(95%信頼区間0.55-0.87、p=0.002)で、相対リスク減少は31%になった。

 ラソフォキシフェン0.5mg群の1000人-年当たりの脊椎骨折の発生率は13.5、偽薬群は23.0で、差は9.5(5.2-13.7)。ハザード比0.58(0.45-0.73、p<0.001)、相対リスク減少は42%となった。

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