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NEJM誌から
新型インフル小児患者の死亡率は季節性の10倍
入院率は2倍、アルゼンチンの研究

 アルゼンチンでは、小児の季節性インフルエンザ感染による入院率は高いが、死亡率は低い。しかし、新型インフルエンザ(2009 H1N1)感染小児では、入院率が季節性の2倍、死亡率は10倍にも上ることが明らかになった。アルゼンチンFundacion INFANTのRomina Libster氏らが行った後ろ向きケースシリーズ研究の結果で、論文はNEJM誌2010年1月7日号に掲載された。

 分析対象は、下気道感染または発熱(38.3度超)を呈し、リアルタイムPCRにより2009 H1N1感染と診断され、ブエノスアイレスの6つの小児病院の小児病棟またはICUに入院した18歳未満の小児。これらの病院が対象とする地域には120万人の小児が住んでいる。なお、前年度または前々年度に、これらの病院に季節性インフルエンザ感染により入院した小児患者については、直接免疫蛍光法(リアルタイムPCRと比較した感度は78~81%)を用いた診断が行われていた。

 南半球の冬期に当たる2009年5月から7月に、2009 H1N1感染によりこれら6病院に入院した小児は、251人だった。入院率は小児10万人当たり20.9(95%信頼区間18.4-23.7)で、2008年の季節性インフルエンザの10.3(8.4-12.5)の2倍だった。

 入院した小児の75%が2歳未満、60%が1歳未満だった。81人(32%)が喘息、免疫抑制状態、慢性肺疾患、神経疾患、心疾患などの基礎疾患を1つ以上保有していた。喘息はICU入院のリスクを有意に高めていた(オッズ比4.92、1.38-17.33、p=0.002)。

 2009年の流行期が始まる前に季節性インフルエンザワクチンの接種を受けていたのは5%のみだった。

 入院前7日間にインフルエンザ様の症状を示す人と濃厚接触があったのは、これに関する情報が得られた159人中66人(42%)。症状発現から受診までの日数の中央値は4日で、死亡した患者と生存した患者の間に差はなかった。

 入院時の症状は発熱(88%)、咳(70%)、鼻漏(32%)、低酸素症(82%)など。喘鳴は16%にみられた。嘔吐は8%、下痢は7%で、季節性インフルエンザに比べ多かった。筋痛は2%と少なかった。

 酸素補給は82%に行われていた。47人(19%)はICUで治療を受け、42人(17%)は機械的人工換気を必要とした。

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