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NEJM誌から
新型インフルの家庭内伝播リスクは過去のパンデミックより低い
18歳以下の接触者の感染リスクは19~50歳の2倍

 新型インフルエンザ2009 H1N1)において、家庭内で2次感染したと見られる患者は小児に多く、50歳超には少ないこと、世帯を構成する家族の人数が少ないほど2次感染のリスクは高いことが、英London大学Imperial CollegeのSimon Cauchemez氏らの研究で明らかになった。発端患者の症状発現から接触者の症状発現までの日数の中央値は2.6日だった。論文は、NEJM誌2009年12月31日号に掲載された。

 米国では、2009年6月11日までに1万7855人の2009 H1N1感染確定例と可能性例が報告された。通常、感染者は熱が下がるまで自宅で安静にするよう指示されるため、看病に当たる家族の感染リスクはほかのだれよりも高いと考えられる。

 著者らは、家庭内感染伝播の実態を分析すれば、感染の危険因子が明らかになり、最初の感染者の発症から次の患者が発症するまでの日数を知ることができると考えた。

 そこで、米疾病管理センター(CDC)に報告された確定例と可能性例の中から、必要な情報がそろっていた症例を選出した。CDCへの症例報告には、発端患者と接触があった家族に関する情報を記録する部分がある。ここには、発端患者の症状発現の前後それぞれ7日間に一晩以上家庭内におり、同じ期間内に発熱や咳、咽頭痛、下痢などを呈した家族の情報(年齢、発症日、症状など)を記入することになっている。

 CDCに報告された2009 H1N1の確定例(37.8度超の発熱があり、咳または咽頭痛を訴え、RT-PCRで2009 H1N1感染が確認された患者)と可能性例(同様の症状があり、A型インフルエンザ陽性かつRT-PCRで季節性のH1またはH3感染が否定された患者)のうち、発端患者と接触した家族が存在し、家族のメンバーの記録がそろっていた216世帯(家庭内での接触者の総数は600人)を分析対象とした。

 接触があった家族600人のうち、78人(13%)が急性呼吸器疾患(発熱または熱っぽさ、咳、咽頭痛、鼻漏のうち2つ以上を認める)を、60人(10%)がインフルエンザ様疾患(発熱または熱っぽさに加え、咳、咽頭痛のいずれかまたは両方を認める)を発症していた。

 216世帯のうち、患者と接触した家族がだれも急性呼吸器疾患を発症しなかった世帯が156(72%)あった。接触があった家族のうち1人が発症した世帯は46(21%)、2人以上が発症したのは14世帯(6%)だった。

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