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NEJM誌から
海外の3種類の新型インフルワクチン、成人は1回接種でOK
3~11歳には2回接種がベター

 新型インフルエンザ2009 H1N1)に対するワクチンの免疫原性と安全性を評価するため、オーストラリア、中国、英国でそれぞれ行われた臨床試験の論文が、NEJM誌2009年12月17日号に同時掲載された。用いられたワクチンは、鶏卵法で製造されたワクチン2製品と細胞培養法によるワクチン1製品で、いずれも筋注投与された。試験の結果、どのワクチンも、健康な成人では1回の接種で高い割合の人々に免疫を誘導できることが示された。ただし、3~11歳の小児には2回接種の利益が大きいことが明らかになった。

オーストラリア:15μg群の95%が1回接種で十分な免疫反応
 まず、オーストラリアCSL Biotherapies社のMichael E. Greenberg氏らは、季節性インフルエンザワクチンと同じ製法(鶏卵法)で作られたワクチン(1価のアジュバント非添加不活化スプリットワクチン、A/California/7/2009由来、CSL社)を評価する単施設試験を行った。対象は健康な成人(18~64歳で妊婦を除く)。

 09年7月22日から7月26日に240人を登録(50歳未満と50歳以上が同数、45%がそのシーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種を受けていた)。抗原量15μgまたは30μgという2通りの用量に割り付け、21日間隔で2回筋注した。ベースラインと接種後21日の時点で、赤血球凝集抑制(HI)法とマイクロ中和(MN)法などにより免疫反応を評価した。

 主要エンドポイントは、HI力価40倍以上となった人の割合、血清転換(HI力価がベースラインの4倍以上)または抗体価の有意な上昇が見られた人の割合と、幾何平均力価の倍数変化に設定。2次エンドポイントは安全性に設定した。

 ベースラインで26.8%(239人中64人)がHI抗体価40倍以上だった。季節性インフルエンザワクチン接種グループではその割合は32.4%、接種なし群では22.0%だった(Fisherの正確確率検定のp=0.08)。

 初回接種から21日目にHI抗体価40倍以上となった人の割合は15μg群の95.0%(120人中114人、95%信頼区間89.4-98.1%)、30μgの89.1%(119人中106人、82.0-94.1%)。年齢群間に差はなく、15μg群の50歳未満は96.6%、50歳以上は93.5%、30μg群ではそれぞれ98.4%と79.3%だった。

 血清転換またはHI力価の有意な上昇は77.8%に見られた。用量が異なる2群の間でその割合に差はなかった。

 2回目の接種後21日の時点のHI力価40倍以上の割合は、15μg群の50歳未満が98.2%、50歳以上は98.4%、30μg群は100.0%と93.0%。

 幾何平均力価の上昇は15μg群に比べ30μg群で有意に高かった(p=0.02)。また、50歳以上では50歳未満に比べ幾何平均力価上昇は有意に低かった(p=0.01)。

 死亡、重症有害事象、あらかじめ選択された特定の有害事象(ギランバレー症候群などの神経障害、免疫系の障害、その他)の報告はなかった。接種後、注射部位の不快感(圧痛または疼痛)が56.3%に、全身性の症状(頭痛、倦怠感、筋痛など)が53.8%に見られたが、ほぼすべての有害事象は軽度から中等度だった。一部の有害事象は30μg群で有意に多かった。

 著者らは、15μgの単回投与で予想を超える高い免疫反応が得られたと述べている。

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