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NEJM誌から
PCI時のカングレロール静注はクロピドグレルに優らず
2件の国際的フェーズ3試験が早期中止に

 新規開発中の抗血小板薬カングレロールPCI時に投与し、クロピドグレルまたは偽薬と比較した2件の国際的フェーズ3試験の結果が、NEJM誌2009年12月10日号に報告された。いずれも主要エンドポイントにおいてカングレロールの優越性を示すことはできず、試験は早期中止された。

 PCIに付随する様々な合併症のリスクを低減するために、現行のガイドラインは、PCIに先駆けてクロピドグレルを投与し、PCI後も継続投与する方法を推奨している。しかし、クロピドグレルの作用の発現は遅く、効果は患者によって異なる。このため、より安定した効果を示す薬剤が求められ、チエノピリジン系のプラスグレル、非チエノピリジン系のticagrelorなどが開発された。

 米Medicines社が開発したカングレロールは、非チエノピリジン系ATPアナログ製剤で、ADP受容体P2Y12を選択的、特異的に直接阻害する。クロピドグレルとは異なり、作用が可逆的で予測可能であり、効果発現が迅速という特徴を持つカングレロールは、血小板阻害を必要とする患者の治療に大きな役割を果たすと期待された。

 その有効性と安全性を明らかにするため、Medicines社から資金提供を受けた2件の大規模多施設フェーズ3試験(CHAMPION PCI試験とCHAMPION PLATFORM試験)が行われた。

 このうちCHAMPION PCI試験の結果は、米Duke大学のRobert A. Harrington氏らが報告した。

 CHAMPION PCIは、二重盲検のダブルダミー方式で行われた。急性冠症候群の患者8877人(年齢の中央値は62.0歳)を、無作為にカングレロール(4367人)またはクロピドグレル(4355人)に割り付けた。

 カングレロール群には、PCI開始の30分前から少なくとも2時間、またはPCI終了までカングレロールの静注を継続。さらに、医師の判断で最高4時間継続投与することを認めた。静注開始時にはクロピドグレルの偽薬を、静注終了時にはクロピドグレル600mgを経口投与した。

 クロピドグレル群には、PCI前30分の時点でクロピドグレル600mgを経口投与し、同時に偽薬の静注を開始。静注終了時点でクロピドグレルの偽薬を経口投与した。

 両群ともにPCI翌日からのクロピドグレル投与の継続期間は担当医の判断に任せた。

 主要エンドポイントは48時間以内の全死因死亡、心筋梗塞、虚血による血行再建術施行を合わせた複合イベントに設定。2次エンドポイントは、48時間後と30日時の全死因死亡または心筋梗塞などに設定。分析はintention-to-treatで行った。

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