日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
抗菌薬予防投与で尿路感染症の再罹患がやや減少
豪州で行われたプラセボ対照二重盲検試験の結果

 尿路感染症再罹患リスクが高い小児に対する抗菌薬の予防的投与は広く行われている。しかし、有効性を評価した質の高い比較試験はこれまでなかった。オーストラリアSydney大学のJonathan C. Craig氏らは、尿路感染症罹患歴のある小児を対象に二重盲検の無作為化試験を行い、12カ月間の低用量トリメトプリム・スルファメトキサゾールST)投与は偽薬に比べ再罹患のリスクを低下させること、罹患率の絶対差は6パーセンテージポイントであることなどを示した。論文は、NEJM誌2009年10月29日号に掲載された。

 小児は尿路感染を起こしやすい。7歳までに男児の2%、女児の8%が罹患し、それらの約5%に腎障害が見られるとの報告がある。ハイリスク小児への抗菌薬予防的投与の利益とリスクを明確にする必要性を感じた著者らは、低用量の経口抗菌薬または偽薬を12カ月間投与する二重盲検のPRIVENT(Prevention of Recurrent Urinary Tract Infection in Children with Vesicoureteric Reflux and Normal Renal Tracts)試験を行った。

 1998年12月から2007年3月まで、オーストラリアの4施設で、尿培養により確定された症候性尿路感染症の罹患歴を有する18歳未満の小児を登録。

 予防的に投与する抗菌薬に選ばれたのは、世界的に尿路感染予防の第1選択となっているST懸濁液だ。1日用量は体重1kg当たりトリメトプリム2mg+スルファメトキサゾール10mgとした。

 2週間のラインイン期間は全員にSTを投与。その後、288人(年齢の中央値は生後13.1カ月)をSTに、288人(中央値は生後14.5カ月)を偽薬に無作為に割り付け、12カ月間毎日投与した。STの用量は3カ月ごとの受診時に調整した。

 受診時には、服薬遵守状況を調査するとともに、患者と家族が記録した日記や医療記録に基づいて以下の評価指標に関する情報を得た。

 主要アウトカム評価指標は、尿培養により確定された症候性尿路感染症に設定。2次評価指標は、発熱を有する尿路感染症、尿路感染による入院、それ以外の原因による入院、尿路感染以外の疾患に対する抗菌薬投与、腎シンチで示される腎障害の変化、ST耐性の細菌による尿路感染などとし、分析はintention-to-treatで行った。

 計画では780人を登録予定だったが一部の施設で登録が進まなかったため、登録された患者は計576人になった。うち64%が女児だった。42%は膀胱尿管逆流症を有しており、うち53%がグレードIII以上に分類された。71%は初回尿路感染後の登録だった。登録前の尿路感染時に15%の患者からST耐性細菌が分離されていた。

 有害事象による服薬中止は抗菌薬群4人、偽薬群10人。服薬非遵守の頻度に差はなかった。

この記事を読んでいる人におすすめ