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NEJM誌から
軽症の妊娠糖尿病治療が胎児の発育過剰と帝王切開を減らす可能性

 軽症の妊娠糖尿病であっても、治療を行うと、胎児の発育過剰を予防することができ、さらに母体についても肩甲難産帝王切開妊娠高血圧子癇前症のリスクを低減させる可能性が示された。ただし周産期死亡新生児合併症の発生リスクには有意な影響を及ぼさなかった。米Ohio州立大学のMark B. Landon氏らの無作為化試験の結果で、詳細はNEJM誌2009年10月1日号に報告された。

 先進国で増加している妊娠糖尿病は、妊娠糖尿病は出産後の糖尿病発症リスクを高める。既に複数のガイドラインが、妊娠糖尿病のスクリーニング実施を推奨しているが、軽症の患者を同定し治療を行うことでリスクを上回る利益が得られるかどうかは不明だ。そこで著者らは、軽症患者に対する治療の妊娠の転帰に対する影響を調べる無作為化試験を行うことにした。

 2002年10月から2007年11月半ばまで、妊娠24週0日から30週6日までの妊婦で、軽症の妊娠糖尿病と判定される女性を登録。軽症妊娠糖尿病の基準は、経口ブドウ糖負荷試験で、50gの負荷後1時間の血糖値は135~200mg/dLで異常となるが、空腹時血糖値は95mg/dL未満で、100gの負荷試験において以下の条件を2つ以上満たした患者(負荷後1時間の血糖値が180mg/dL超、2時間が155mg/dL超、3時間が140mg/dL超)とした。

 条件を満たした958人を無作為に、通常のケア(473人、対照群)、または介入群(485人)に割り付けた。介入群には、食事療法、血糖自己測定(空腹時と食後2時間の1日2回)、必要に応じてインスリン治療(空腹時血糖が95mg/dL以上、食後2時間の血糖値が120mg/dL以上となる頻度が増えた場合に投与を開始)を行った。

 主要アウトカム評価指標は、周産期死亡(死産または新生児死亡)と、母体の高血糖に関連する新生児の合併症(高ビリルビン血症、低血糖、高インスリン血症、分娩外傷)を合わせた複合イベントに設定した。

 また2次アウトカム評価指標として、新生児を対象に、出生体重が4000g超、出生時の体重が在胎週数に相当する体重より重い(90パーセンタイル超)、出生時の体重が在胎週数に相当する体重より軽い(10パーセンタイル以下)、新生児集中治療部門への入院、呼吸窮迫症候群などとした。さらに母親を対象に、登録から出産までの体重増加、妊娠高血圧、子癇前症、帝王切開、陣痛誘発、肩甲難産について評価した。分析はintention-to-treatで行った。

 介入群の妊婦のうち、インスリンの投与を受けたのは計37人。介入群の血糖値は、食事療法のみのグループ、インスリン投与を受けたグループの両方で目標とするレベルを維持できていた。

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