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NEJM誌から
季節性ワクチンは不活化タイプが弱毒生ワクチンに優る
インフルエンザ確定例の発生が50%少ない

 米国で承認を得ている季節性インフルエンザワクチンには2タイプある。不活化ワクチンは筋注、弱毒生ワクチンは経鼻投与される。米Michigan大学のArnold S. Monto氏らは、2007~08年流行期に無作為化試験を行い、これら2つのワクチンの症候性インフルエンザ確定例の発生を抑える効果を比較した。この結果、不活化ワクチンの方が有効率が高いことが分かり、NEJM誌2009年9月24日号に報告された。

 研究の対象となったのは、18~49歳の健康な男女、すなわち、現在米国で唯一、季節性インフルエンザワクチンの接種が推奨されていない集団だ。この集団に対するワクチン接種の利益について評価すること、そして2タイプのワクチンのどちらが利益、コスト、リスクのバランスがよいかを明らかにすることが、ワクチン戦略の正当性の検証において必要だと著者らは考えた。そこで、04~05年の流行期以降、50歳未満の健康な成人を対象に症候性のインフルエンザ確定例の発生予防における不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの有効率の評価を行い、論文を発表してきた。 

 04~05年と05~06年には罹患者数が少なかったため、明確なデータは得られなかった。今回は罹患者がより多く発生したため、2つのワクチン間に有意な差が認められた。

 2007年10月初めから11月初めまでに、18~49歳の健康な男女を登録。連続して複数年、この研究に参加している人々も含まれていた。

 1952人(平均年齢23.3歳、62.2%が女性、37.5%が過去にインフルエンザワクチンの接種歴あり)を、不活化ワクチン(814人)または偽薬(163人)、弱毒生ワクチン(813人)または偽薬(162人)に割り付け、筋注または経鼻投与した。

 07年11月~08年4月に呼吸器症状(咳、鼻閉など)または全身性の症状(発熱、悪寒、筋痛など)が2つ以上見られたら受診するよう指示しておき、受診した患者からインフルエンザ感染の有無を判定するための検体を採取した。分離培養とPCRのいずれか、または両方によって感染が確認された患者で、呼吸器症状が1つ以上、全身性の症状が1つ以上認められた患者を症候性のインフルエンザ確定例とした。

 それぞれのワクチンについて、絶対有効率と相対有効率を求めた。
・絶対有効率=偽薬群と比べた罹患の相対減少率=(1-偽薬と比べた相対リスク)×100
・相対有効率=ワクチン群間で比較した罹患の相対減少率=(1-ワクチン間の相対リスク)×100

 分析においては、偽薬を筋注されたグループと偽薬を経鼻投与されたグループをまとめて偽薬群とした。

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