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NEJM誌から
海外の2つの新型インフルワクチン、1回接種でも有効性を示唆
CSL Biotherapies社製とNovartis社製のワクチン

 新型インフルエンザワクチンの不足が世界的に問題となっている中、異なる2つのワクチンの有効性と安全性を評価した臨床試験の予備的な結果が、NEJM誌電子版に2009年9月10日に同時掲載された。いずれのワクチンについても、1回接種で抗体が誘導されることが示された。

 全世界で2009 H1N1に対するワクチンの接種開始が待たれている。そのためには、安全性と有害事象プロファイルを調べ、さらには最適な用量と投与レジメンを確定するための臨床試験が必要だ。

 オーストラリアCSL社のMichael E. Greenberg氏らは、CSL Biotherapies社が鶏卵法で製造した1価の不活化スプリットワクチンに関するフェーズ2試験を、英Leicester大学のTristan W. Clark氏らは、1価の細胞培養ワクチンをMF59アジュバントと共に投与するフェーズ1試験を行っている。

 オーストラリアのグループは、臨床試験データを迅速に公表することが、各国のワクチン接種計画の作成に役立つと考え、進行中のフェーズ2試験の予備的な結果を発表した。

 この研究で用いられたCSL Biotherapies社製のワクチンは、季節性インフルエンザに対するワクチンと同じ鶏卵法を用いて作製された。WHO推奨株の1つであるA/California/7/2009に対するスプリットワクチンだ。この製品はアジュバントを含まないが、保存剤としてチメロサールが0.01w/v%添加してある。

 今回の前向き無作為化observer-blind試験は、オーストラリアの1施設で現在も進行中だ。対象は、健康な18~64歳で、2通りの用量を2回接種して有効性と安全性を評価することになっている。

 今回報告されたのは、初回接種から21日後の免疫原性と安全性に関する予備的な結果だ。

 2009年7月22日から7月26日までに計240人を登録。50歳未満と50歳以上がちょうど同数になるよう登録し、1:1で、抗原量にして15μgまたは30μgに割り付け、0日の時点で三角筋に注射した。2回目の接種は21日目に行われた。

 ベースラインと初回接種後21日時の抗体力価を、赤血球凝集抑制(HI)試験とマイクロ中和(MN)試験により測定した。

 インフルエンザワクチンの評価に用いられる国際的なガイドラインに基づいて、エンドポイントを選択。免疫原性に関する主要エンドポイントは、抗体力価が40倍以上になった患者の割合、血清転換(10倍未満から40倍以上に上昇)または抗体力価が有意に上昇(ベースラインの4倍以上に上昇)した患者の割合、そして幾何平均抗体価(GMT)の増加倍率に設定。

 安全性に関する2次エンドポイントは、接種から7日間に自己申告された有害事象の発生率、持続期間と重症度、そして追跡期間中の重症有害事象と特徴的な有害事象(ギランバレー症候群などの神経症状、免疫系の有害反応など)の発生率に設定された。

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