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NEJM誌から
ゲフィチニブは特定の肺腺癌患者の第1選択薬として有効
東アジアの肺腺癌患者を対象としたIPASSの結果

 非小細胞肺癌治療薬のゲフィチニブは、非喫煙者または過去にライトスモーカーだった東アジアの肺腺癌患者に対しては、第1選択薬として用いることができる。特に上皮成長因子受容体(EGFR)変異が陽性の患者では、12カ月時の増悪または死亡のハザード比が0.48に低下する――。そんな無作為化試験の結果が、香港中文大学のTony S. Mok氏や近畿大学の福岡正博氏らにより、NEJM誌2009年9月3日号に報告された。

 ゲフィチニブはEGFRのチロシンキナーゼを選択的に阻害する。同薬はこれまで、進行した非小細胞肺癌に対する第2選択または第3選択薬としての有効性が示されており、その利益が最も大きいのは、女性、喫煙歴なし、肺腺癌患者、アジア系という条件を満たす人々であること、さらに、EGFRに特定の変異がある患者に高い反応が見られることが報告されている。

 著者らは、これらの知見に基づいて臨床的に選択した特定の患者では、ゲフィチニブを第1選択薬として用いた場合でも、カルボプラチン/パクリタキセル併用と同等以上の効果が期待できると考えた。そこで、非喫煙者または過去にライトスモーカーだった東アジアの肺腺癌患者を対象に、EGFR変異の有無に注目しながら、ゲフィチニブとカルボプラチン/パクリタキセルの第1選択薬としての有効性、安全性を比較するオープンラベルの多施設無作為化フェーズ3試験(Iressa Pan-Asia Study:IPASS)を行った。

 中国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイの87カ所の医療機関で、2006年3月から2007年10月まで患者登録を実施した。

 18歳以上、ステージIIIBまたはIVの進行肺腺癌で、治療歴はなく、喫煙歴なしまたは過去にライトスモーカー(15年以上前に禁煙し、過去の喫煙量は10箱-年以下)だった人々を登録。250mg/日のゲフィチニブ(609人)またはカルボプラチン/パクリタキセル併用(608人)に割り付けた。

 カルボプラチンの用量は、血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)が5~6mg/mL/分になるよう計算し、15~60分かけて静脈内投与した。パクリタキセルは体表面積1m2当たり200mgとして、両薬剤ともに3週間に1回の治療を最大6サイクル行った。

 治療は、進行が見られるまで、治療中止が避けられない有害事象が見られるまで、治療遵守が著しく低下するまで、患者またはその家族が治療中止を希望するまで、または6サイクル完了まで継続した。

 主要エンドポイントは無増悪生存期間(割り付けから進行まで、または全死因死亡までの期間)、2次エンドポイントは全生存期間(現在も追跡継続中)、客観的奏効率(腫瘍縮小)、QOL、症状軽減、安全性、有害事象に設定した。分析は、Cox比例ハザードモデルを用いて、Intention-to-treatで行った。主要エンドポイントに関する非劣性のマージンは、95%信頼区間の上限が1.2以下に設定した。

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