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NEJM誌から
減量手術の短期的な有害転帰発生リスクは低い
術後30日の有害転帰発生は4.1%、死亡率は0.3%

 減量手術の術後30日の死亡率は0.3%と低く、有害転帰発生は全体の4.1%にとどまる――。そんな前向き観察研究の結果が、米Washington大学のDavid R. Flum氏ら、The Longitudinal Assessment of Bariatric Surgery (LABS) Consortiumのメンバーにより報告された。論文は、NEJM誌2009年7月30日号に掲載された。

 極度の肥満患者に対する減量手術の有効性を報告した研究は複数ある。外科的な治療は、極度の肥満患者の長期的な死亡リスクを約35%下げるという報告もある。一方で、減量手術を受けるハイリスク患者の死亡率は決して低くないとのリポートもあった。

 患者が自分にとってどの減量治療が最適かを判断するためには、様々な治療の短期的、長期的なリスクと利益に関する情報が必要だ。著者らは、幅広い患者に減量手術を適用した場合の短期的なリスクについて詳細に知るために、2005年3月から2007年12月にかけて、米国の10カ所の医療機関で前向き多施設観察研究を実施した。

 初回の減量手術を受けた18歳以上の患者を登録、追跡して、術後30日間の主要な有害転帰として、死亡、静脈血栓塞栓症、経皮的・内視鏡的・外科的再介入、30日以内の退院失敗からなる複合イベントの発生について評価した。

 4776人の患者(平均年齢44.5歳、21.1%が男性、10.9%が非白人、BMIの中央値は46.5)を登録した。3412人にルーワイ胃バイパス術(87.2%が腹腔鏡下で行われた)、1198人に腹腔鏡下胃バンディング術、166人にはそれ以外の方法が適用されていた。

 併存疾患を1つ以上抱えていた患者は82.1%と非常に多かった。併存疾患が2つ以上の患者は53.9%、3つ以上の患者も26.5%いた。

 併存疾患として最も多く見られたのは高血圧(55.1%)で、閉塞性睡眠時無呼吸(48.9%)、糖尿病(33.2%)、喘息(23.1%)なども多かった。

 腹腔鏡下の術式が適用された患者に比べ、開腹手術が行われた患者では、BMIの中央値が高く、併存疾患の数が多かった(いずれもp<0.001)。また、併存疾患数は、ルーワイ胃バイパス術適用群の方が胃バンディング術適用群よりも多かった。

 以降は、ルーワイ胃バイパス術と腹腔鏡下胃バンディング術が用いられた患者を対象に有害転帰について分析した。

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