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NEJM誌から
メキシコの重症肺炎患者の過半数は基礎疾患なし
ブタ由来H1N1陽性の重症肺炎患者18人についてのカルテレビュー

 メキシコでは2009年3月末から、ブタ由来A/H1N1S-OIV)に起因する呼吸器疾患が多発した。S-OIVの感染は世界中に広がったが、重症患者はメキシコにのみ多い。メキシコ呼吸器疾患研究所のRogelio Perez-Padilla氏らは、S-OIV陽性の重症肺炎患者18人について後ろ向きカルテレビューを行い、同国では基礎疾患のない若い患者も重症化していることを明らかにした。詳細は、NEJM誌電子版に2009年6月29日に報告された。

 著者らは、肺炎でMexico Cityにある国立の3次病院National Institute of Respiratory Disease(INER)に入院したS-OIVの確定例(リアルタイムPCRによる)を対象に臨床特性と疫学的な特徴を調べるケースシリーズ研究を行った。

 2009年3月24日から4月24日までに、急性呼吸器疾患で同施設の救急部門を受診した患者は214人、入院は98人だった。肺炎でS-OIV陽性の患者は18例だった。

 この確定例18人は、すべてインフルエンザ様疾患により受診し、胸部X線撮影で肺炎の所見が認められた患者だ。年齢は生後9カ月から61歳まで(中央値は38歳)、半数以上が13~47歳で、52歳未満が90%を占めた。男性は9人(50%)だった。

 基礎疾患を有していたのは8人のみ。高血圧が3人、非1型糖尿病が3人(うち1人は高血圧もあり)、喘息が2人、閉塞性睡眠時無呼吸が1人。

 2008~09年の季節性インフルエンザ用ワクチンの接種を受けていたのは3人。肺炎球菌ワクチンの接種歴がある患者はいなかった。

 職業が記録されていたのは14人で、児童生徒または学生が6人と多く、2人がタクシー運転手、3人は主婦だった。

 18人の発症から同病院を受診するまでの日数は4日から25日(中央値6日)で、16人は肺炎を発症後の初回入院、2人は別の病院からの紹介された患者だった。

 7人(中央値45歳、9歳から52歳)の患者が発症から平均14日(10~23日)、入院から平均9日(4~18日)で死亡していた。基礎疾患があった患者は3人のみだった。

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