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NEJM誌から
10~20代の肺炎死亡率は季節性インフル流行期の9~12倍
メキシコでの疫学調査の結果、罹患も死亡も60歳以上は少数

 ブタ由来インフルエンザA/H1N1が流行したメキシコにおける、重症肺炎の詳しい罹患状況が、米国立衛生研究所のGerardo Chowell氏らによってNEJM誌電子版に2009年6月29日に報告された。報告によると、メキシコでは、調査が行われた2009年3月24日から4月29日までの間に、重症肺炎の罹患率が突然上昇すると共に、肺炎罹患と死亡の年齢分布が若年層にシフトしていたことが明らかになった。

 メキシコ保健省が、入院を要する重症肺炎が特に若者で急増し、それと共に2月以降もインフルエンザの患者が増加しているとの報告を受け取ったのは、2009年4月14日と15日だった。ほかの北半球の国と同様に、同国の季節性インフルエンザの流行は10月に始まり3月に終息し、この病気による死亡は高齢者に多い。そのため同省は、4月17日に疫学的警告を発し、医療機関に対して、肺炎による入院例をメキシコの国立疫学サーべイランスシステム(SINAVE)に報告するよう求めた。

 SINAVEは、20~40歳の肺炎患者が特に増加していること、同時にインフルエンザの確定例が増加していることに注目した。ときを同じくして、米国で小児患者からブタ由来H1N1ウイルス(S-OIV)が分離されたことを受けて、メキシコの公衆衛生緊急システムは対応を開始した。

 著者らは、H1N1の診断検査が行われたかどうかにかかわらず、重症肺炎例について分析すれば、S-OIV感染の重症化を引き起こす危険因子に関する情報が得られるのではないかと考えた。

 S-OIVに感染した最初の症例がいつ発症したのかは明らかでないため、S-OIVが疑われる非定型肺炎患者で、最も早い時期に報告されたと考えられる症例の症状発現日(3月24日)から、重症肺炎例の報告要請を停止した4月29日までにSINAVEに報告されたケースについてレビューした。

 SINAVEは、メキシコにおける肺炎による入院例のすべてを把握しているわけではないが、この期間の重症肺炎について現在得られる情報の中では最も正確なデータを保有する。

 この間に報告された重症の肺炎は計2155例。821人(38%)について入院日が記載されており、100人(5%)が死亡していた。

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