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NEJM誌から
局所進行型の前立腺癌には長期アンドロゲン抑制療法を推奨
短期と長期でQOLに差が見られず

 局所進行型の前立腺癌に対する放射線外部照射治療(RT)とアンドロゲン抑制療法AST)の組み合わせにおいて、ASTは短期よりも長期の方が、死亡リスクが低いことが示された。一方、ASTの治療期間の違いは、患者のQOLに差をもたらさず、長期の治療が推奨されることが示唆された。欧州癌研究治療機構(EPRTC)に所属する、フランスGrenoble大学のMichel Bolla氏らの報告で、詳細はNEJM誌2009年6月11日号に掲載された。

 RTのみを行い、再発が見られた時点でホルモン療法を開始する方法に比べ、RTに2年以上にわたるASTを組み合わせると、局所進行前立腺癌患者の全生存期間は延びる。しかし長期にわたるASTは、QOLを低下させ、心筋梗塞や骨折などのリスクを上昇させる可能性がある。

 局所限局性の前立腺癌の場合には、ASTを6カ月に短縮しても生存利益が得られることは既に示されている。そこで著者らは、局所限局性と同様に、局所進行型でも、ASTを短縮しても、長期に実施した場合と同様に生存期間を延長させられるかどうかを調べる無作為化試験を実施した。

 試験は1997年4月から2001年11月まで、組織学的に確認された局所進行型の前立腺腺癌患者を登録。癌の進行度を表すTMN分類が、T1cからT2a-b/N1またはN2/M0の患者、もしくは、T2cからT4/N0-N2/M0の患者で、PSA値は正常域上限の40倍まで、WHO基準での全身状態(PS)が0-2、癌の既往なし、治療歴なしなどを組み込み条件とした。治療歴では、3週間以下のホルモン療法歴は除外しないこととした。

 登録した1113人全員にまず、RTと6カ月のASTを行った。アンドロゲンの完全遮断を目的として、抗アンドロゲン薬(フルタミド750mg/日またはビカルタミド50mg/日)を1週間投与した時点で、放射線治療と黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)拮抗薬(トリプトレリンまたはゴセレリン)の投与を開始した。

 そして6カ月後、進行が見られない970人の患者を無作為に、それ以上の治療なし(短期抑制群、483人)、または、その後2.5年間LHRH拮抗薬を投与(長期抑制群、487人)に割り付けた。QOLはEORTCの質問票を用いて評価した。

 主要エンドポイントは全生存期間とした。短期抑制の非劣性を検証するために、あらかじめ片側検定の有意水準が5%で全生存のハザード比が1.35を非劣性のマージンに設定、それ以下なら短期抑制は長期抑制に対して非劣性と判断することにした。

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