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NEJM誌から
スタチンは静脈血栓塞栓症リスクも43%減らす
脂質正常者を対象としたJUPITER試験の分析結果

 スタチンは、動脈硬化性心血管イベントに加えて静脈血栓塞栓症リスクも40%以上低減する――。そんな知見が、2008年に発表された大規模臨床試験JUPITERのデータ分析により明らかになった。詳細は、米国Harvard大学のRobert J. Glynn氏らにより、NEJM誌電子版に2009年3月29日に報告された。

 これまで、スタチンが静脈血栓塞栓症リスクの低減に有用であることを示唆する観察研究の結果は複数報告されているが、有用性を示せなかった研究もあった。さらに、無作為化試験で得られたエビデンスはなかった。

 著者らは、二重盲検の無作為化試験JUPITERの一部として、スタチンの静脈血栓塞栓症に対する影響を調べることにした。

 JUPITERは、脂質正常者におけるロスバスタチンの投与が、初回心血管イベントの発生率を下げるかどうか評価した試験だ(関連記事はこちら)。

 LDL-コレステロールが130mg/dL未満で、高感度CRP(hsCRP)が2.0mg/L以上、トリグリセリド値が500mg/dL未満の健康な男女(男性は50歳以上、女性は60歳以上)1万7802人を登録し、ロスバスタチン20mg/日または偽薬に割り付けた。登録者のうち32.0%が70歳以上で、38.2%が女性、BMI 30以上が37.6%を占めていた。

 主要エンドポイントは、肺塞栓または深部静脈血栓症の初回イベントに設定し、intention-to-treatで分析した。

 割り付けから中央値1.9年の追跡で、症候性の静脈血栓塞栓症が94人に発生。34人がロスバスタチン群、60人が偽薬群の患者だった。

 静脈血栓塞栓症の罹患率は、100人-年当たり0.18と0.32で、ハザード比は0.57(95%信頼区間0.37-0.86、p=0.007)と、ロスバスタチン群で有意に低かった。

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