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NEJM誌から
ゾレドロン酸が閉経前乳癌の再発・死亡を抑制
術後補助療法への追加で無病生存率が有意に向上

 閉経前女性のホルモン感受性乳癌の術後補助療法において、ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸が有効であることが明らかになった。オーストリアVienna大学のMichael Gnant氏らが、NEJM誌2009年2月12日号に報告したもので、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ+タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬の組み合わせに、ゾレドロン酸を追加すると、無病生存率と無再発生存率が有意に向上した。

 ホルモン療法への感受性を示す閉経前女性の早期乳癌に、卵巣抑制療法とタモキシフェンを併用すると、化学療法と同等の効果が得られる上に忍容性も高いことが明らかになっている。閉経女性の乳癌には、アロマターゼ阻害薬がタモキシフェンに優る利益をもたらすが、閉経前患者に対するこれら2剤の効果の差は明らかではなかった。

 一方、ゾレドロン酸については、閉経前と閉経後の乳癌女性の、アロマターゼ阻害薬に関連する骨量減少を抑制することが示されており、近年では、血管新生の阻害、腫瘍細胞の浸潤と骨への接着の抑制、アポトーシス誘導、免疫修飾といった作用を介して、ゾレドロン酸自体が抗腫瘍活性や転移抑制効果を発揮する可能性が示されている。

 このような知見を基に、著者らは、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログのゴセレリンタモキシフェンを併用、または、ゴセレリンとアロマターゼ阻害薬のアナストロゾールを併用する治療に、ゾレドロン酸を追加した場合の影響を調べる無作為化試験を行った。

 1999~2006年に患者登録を実施。ステージIまたはIIの早期乳癌と診断された閉経前女性の中から、エストロゲン受容体陽性かつ/またはプロゲステロン受容体陽性(ホルモン感受性ありと判定)、転移陽性リンパ節個数は10未満で、ゴセレリンを用いる術後補助療法が適用となる患者1803人を登録した。年齢の中央値は45歳、75%は病期がT1で、30%がリンパ節陽性だった。術前化学療法を受けていた患者は5.4%だった。

 術後の放射線治療は各医療機関のガイドラインに従って行うことを許可した。

 試験設計は2×2 factorial designで、患者を下記の4群に1:1:1:1で割り付け、3年間治療を継続した。

 1)ゴセレリン(3.6mgを28日ごとに皮下注射)+タモキシフェン(20mg/日を経口投与)
 2)ゴセレリン+タモキシフェン+ゾレドロン酸(4mgを6カ月に1回静注)
 3)ゴセレリン+アナストロゾール(1mg/日を経口投与)
 4)ゴセレリン+アナストロゾール+ゾレドロン酸

 主要エンドポイントは、無病生存期間(割り付けから再発、対側乳癌、遠隔転移、新たな原発腫瘍のいずれかが発生するまで、またはあらゆる原因による死亡までの期間)、2次エンドポイントは無再発生存期間と全生存期間などに設定。有効性の評価は2008年3月31日の時点で実施した。分析はintention-to-treatで行われた。

 

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