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NEJM誌から
反復性喘鳴の小児への高用量吸ステ予防投与は推奨されず
経口ステロイドのレスキュー使用は減るが、成長抑制が生じる

 小児の喘鳴エピソードの約8割が上気道感染に起因する。では、喘鳴を繰り返す小児が上気道感染の徴候を示した時点で高用量の吸入ステロイドを投与すれば、喘鳴エピソードを軽くすることができるのだろうか。

 カナダMontreal大学のFrancine M. Ducharme氏らは、喘鳴を繰り返す小児に対し、高用量のフルチカゾンを予防的に投与する無作為化試験を実施。主要エンドポイントである経口ステロイドのレスキュー使用の頻度については偽薬群との間に有意差を認めたものの、成長抑制などのリスクの存在も明らかとなり、「現時点ではこうした予防策は推奨されない」と結論した。詳細は、NEJM誌2009年1月22日号に報告された。

 小児の反復する喘鳴は、多くの場合、6歳までに徐々に軽快化する。しかし、繰り返されるウイルス性喘鳴は、患者と家族を疲労させる上に医療費の上昇を招く。現在のところ、特に中等症から重症の反復性喘鳴に対する予防策は確立されていない

 著者らは、上気道感染の症状が発現した時点で予防的に高用量フルチカゾンを投与する方法が、ウイルス性喘鳴エピソードの重症度を低減できるかどうか評価する並行群間無作為化試験を行った。

 ケベック州の5施設で1999年11月から2005年4月に患者登録を実施。過去に3回以上の喘鳴エピソードを経験し、上気道感染に起因する喘鳴とみなされ、併発症状はなく、過去6カ月に1回以上(または過去12カ月に2回以上)経口ステロイドのレスキュー使用を経験した(中等度の増悪の指標)、1~6歳の小児を登録した。重度の増悪の指標である入院は、登録の必要条件にしなかった。

 除外条件は、呼吸器疾患による挿管歴あり、アレルギー性鼻炎の疑い例、空中アレルゲンに対するアレルギーの診断など。

 スクリーニングした2243人のうち、条件を満たしたのは129人だった。62人(平均年齢2.60歳)をフルチカゾン、67人(2.86歳)を偽薬に無作為に割り付けた。

 上気道感染の症状発現(鼻漏、鼻閉、喉の痛み、耳痛など)時から、フルチカゾン750μgまたは偽薬を1日2回、親が吸入させた。咳や喘鳴といった症状が認められない状態が48時間に達するまで投与を継続。咳、喘鳴、呼吸困難といった喘息様症状が続く場合には、必要に応じて、β2刺激薬のアルブテロール(サルブタモールとしても知られる)100μgの2~4回吸入を4時間間隔で実施。10日を超えて症状が持続する場合には受診するよう指示した。これら以外の喘息治療薬の使用は許可しなかった。

 追跡期間は6~12カ月。その間に35人(フルチカゾン群12人、偽薬群23人)が試験薬の使用を中止した。集中治療ユニット入院、慢性症状、増悪の管理不良、3カ月間に試験薬使用期間が月15日を越えた、効果なしという認識、などが試験薬使用中止の理由だった。なお、9人(フルチカゾン群7人、偽薬群2人)が追跡から脱落した。

 割り付けから4カ月ごとに受診させて、上気道感染の症状や喘鳴の状態を質問し、身長や体重、骨密度などを測定し、有害事象について評価した。そのほか、血清コルチゾール基礎値なども測定した。

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