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NEJM誌から
7価肺炎球菌ワクチンで髄膜炎罹患率が3割減少
2歳未満では6割減、ただし非PCV7血清型の髄膜炎は増加

 米国では、2000年に7価肺炎球菌結合型ワクチンPCV7)が、5歳未満の小児に対する定期予防接種に組み込まれた。それ以降、小児と成人の侵襲性肺炎球菌疾患が減少したことが分かっていたが、米Pittsburgh大学のHeather E. Hsu氏らの研究により、肺炎球菌性髄膜炎の罹患も減少したことが明らかになった。詳細は、NEJM誌2009年1月15日号に報告された。

 PCV7の導入は、肺炎球菌に対する集団免疫をもたらし、接種者だけでなく未接種の小児や成人の感染も減少している。しかしこれまで、肺炎球菌による細菌性髄膜炎へのワクチンの影響は明らかではなかった。

 著者らは、米疾病管理センター(CDC)が実施しているActive Bacterial Core Surveillanceのデータを利用して、ワクチン導入前後の髄膜炎罹患傾向を分析することにした。

 著者らは、米国内8カ所で行われている集団ベースの能動的なサーベーランスにより蓄積されているデータの中から、1998年1月1日から2005年12月31日までに報告された肺炎球菌性髄膜炎罹患例を抽出した。

 分離された菌株は、PCV7ワクチンに含まれる血清型(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)と、これらに関連する血清型(ワクチンの交叉反応性が知られている、または予想されている6A、9A、9L、9N、18A、18B、18F、19B、19C、23A、23B)、PCV7とは無関係の血清型(ワクチンが無効であることが知られている19Aを含むその他の全て)に分類した。

 患者は2歳未満、2~4歳、5~17歳の小児と、18~39歳、40~64歳、65歳以上の成人に層別化。

 肺炎球菌性髄膜炎は1379例報告されていた。患者の年齢の中央値は、小児が生後15カ月、成人は53歳。致死率は小児が8.4%、成人が22.3%だった。

 全体の罹患率は、98~99年が10万人当たり1.13人だったのに対し、2004~05年は0.79人で、有意に減少していた(相対減少率は30.1%、p<0.001)。

 年齢層別では、2歳未満の小児と65歳以上の高齢者の罹患の相対減少率が、それぞれ64.0%、54.0%と高かった(共にp<0.001)。18~39歳の相対減少率は28.1%となったが、差は有意ではなかった(p=0.10)

 PCV7血清型の感染による髄膜炎は、全体で10万人当たり0.66人から0.18人に減少(相対減少率73.3%、p<0.001)。罹患者数が少なすぎて意味のある結果が得られなかった5~17歳を除き、すべての年齢群で減少は有意だった。相対減少率が最大だったのは2歳未満で、92.8%に達した。

 PCV7関連血清型による髄膜炎も32.1%減少していたが、差は有意でなかった(p=0.08)。2歳未満のみが、相対減少率83.5%(p=0.01)と有意差を示した。

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