日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効
7~17歳の患者488人を対象とした無作為化試験の結果

 不安障害は青少年によく見られる精神疾患だ。米国Johns Hopkins Medical InstitutionsのJohn T. Walkup氏らは、7~17歳の患者を対象とする無作為化試験を行い、選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIs)のセルトラリンと認知行動療法が、偽薬に比べて有効であることを明らかにした。また、これらを併用すると、治療に反応する患者の割合、症状改善レベルの両方がさらに向上することも分かった。詳細は、NEJM誌2008年12月25日号に報告された。

 小児期の不安障害の有病率は10~20%とも言われる。この病気は患者の学校生活や家族関係を難しくする上に、成人後の不安障害や大うつ病のリスクを高める。小児期に有効な治療を行うことが重要と考えられるが、この病気に対する一般の認知度は低く、未治療となる患者も少なくない。

 不安障害の中で、症状が重複する分離不安障害、全般性不安障害、社会恐怖は、一群に分類されることが多い。これらの疾患に対する認知行動療法とSSRIsの有効性は示されているが、それらの利益とリスクを比較した研究や、それらを併用した場合の効果を調べた研究はほとんどなかった。

 小児患者の40~50%は、認知行動療法またはSSRIsを単独で用いた治療には反応しないことから、併用の効果を調べる意義は大きい。

 そこで著者らは、一次診断が分離不安障害、全般性不安障害、社会恐怖だった7~17歳の患者を対象とする無作為化比較試験を実施した。

 目的は、3通りの介入の相対的な効果を比較すること、併用の効果をそれぞれ単独で行った場合と比較すること、偽薬と比べたセルトラリンの安全性と忍容性を評価することの3点に置かれた。

 2002年12月から2007年5月までに、米国の学究機関の医療施設6カ所で患者を登録。488人(平均年齢10.7歳、74.2%が13歳未満)を2対2対2対1で、認知行動療法(60分を14セッション、139人)、セルトラリン(開始用量を25mg/日とし8週目までに200mg/日に増量、133人)、これらの併用(140人)、または偽薬(76人)に割り付け、12週間治療を実施した。

 試験は2段階の設計になっており、引き続いて、治療に反応した患者を対象にオープンラベルの延長試験を6カ月間行っているが、今回の論文はその結果に触れていない。

 認知行動療法群に対する介入に用いられたのは、Coping Catプログラム。これは著者のPhilip C. Kendall氏らが開発した方法だ。認知行動療法に割り付けられた患者は、専門家から不安に対処するスキルの訓練を受け、実際に不安を呼び起こす場面を体験した。60分のセッションの中で、治療効果と有害事象の評価も行われた。

 これとは別に、親のみを対象とするセッションも2回実施した。

 薬物療法群は、治療効果と有害事象の評価を目的とする30~60分のセッションに8回参加した。

 アウトカム評価に関連する情報(不安症状、併存疾患、心理社会的機能など)は、スクリーニング時、ベースライン、4週時、8週時、12週時に、患者と両親に尋ねた。

この記事を読んでいる人におすすめ