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NEJM誌から
透析患者の有害反応、原因はOSCS混入ヘパリンと最終結論
CDCが全米規模で行った疫学研究の結果

 米国で透析患者を中心に発生したアレルギー様反応の原因を明らかにするため、米疾病管理センター(CDC)が全米規模で行った疫学研究の結果が、NEJM誌2008年12月18日号に報告された。

 CDCのDavid B. Blossom氏らが行った分析の結果、透析患者などに現れた症状は、かねてから指摘されていた、過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)混入ヘパリンに起因することが強力に示された。さらに、有害反応と関係するヘパリンバイアルにOSCSが混入していたことも確認した(OSCS混入ヘパリンについての関連記事はこちら)。

 CDCは、2007年11月1日以降にアレルギー様の反応を示した患者の臨床症状と曝露に関する情報を収集し、症例を以下の定義に基づく確定例と可能性例に限定して分析を進めた。

 確定例は、透析開始から1時間以内に血管浮腫(顔面浮腫)または蕁麻疹が現れた症例。可能性例は、やはり透析開始から1時間以内に低血圧、意識消失、または、以下のうちの2つ以上が認められた場合とした:灼熱感や顔面紅潮・しびれやヒリヒリした感じ・嚥下障害・息切れ・聞き取れる喘鳴・胸部圧迫感・頻脈・吐き気、嘔吐あるいは下痢。

 透析患者以外にもヘパリン投与と有害反応の間に強力な関係が示唆された患者の報告があったため、透析以外の目的でヘパリンを投与されてから1時間以内に、確定例と可能性例に見られた症状を示した患者を全米から選出。分析対象に組み込んだ。

 2007年11月19日から2008年1月31日までの間に、CDCに報告されていたイベントは194件。13州で113人の患者が、確定例または可能性例に該当する有害反応を計152件経験していた。うち130件の反応は、透析患者100人に認められたものだった。そのほか、心疾患の患者6人に8件、体外循環光療法を受けていた患者7人に14件の有害反応が発生していた。

 血液透析を受けた患者に限定すると、透析開始から症状発現までに要した時間の中央値は5.1分。多く見られた症状は、低血圧(50.0%)、吐き気(48.7%)、息切れ(37.5%)、顔面浮腫(23.7%)で、入院が必要となった患者は9.0%だった。 

 透析患者に見られたアレルギー様有害反応の97.7%はヘパリン投与後に発生しており、95.3%にBaxter社のヘパリンが用いられていた。

 ヘパリン以外の危険因子候補として、有害反応を示した患者の50%以上に共通していたものは、Minntech社製の酸濃縮液(59.5%)、Gambro社の透析用機器(53.8%)とダイアライザー(53.5%)の使用、ダイアライザーの再利用の習慣(52.0%)だった。

 著者らは、ヘパリンと有害反応の関係を明らかにするために、透析施設単位のケースコントロール試験を行った。単一施設で透析を受ける患者が特定の医療用製品に曝露するリスクは一様であること、有害反応は特定の施設で集団発生したことから、施設レベルで危険因子の同定が可能と考えられたからだ。

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