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NEJM誌から
2型糖尿病の発症予測に最も有用なのは臨床的危険因子
フラミンガム子孫研究の参加者を対象とした検討

 2型糖尿病リスクに関わることが示されている遺伝子座は複数ある。米Massachusetts総合病院のJames B. Meigs氏らは、大規模な前向きコホート研究であるフラミンガム子孫研究の参加者を対象に、それら遺伝子座に関する情報の糖尿病リスク予測能力を評価した。得られた結果は、従来から用いられてきた臨床的危険因子の予測精度の高さを示し、今後も臨床要因が2型糖尿病リスク評価において重要であることを示した。詳細はNEJM誌2008年11月20日号に報告された。

 著者らは、それら遺伝子座に由来する情報の糖尿病リスク予測能力は、一般的な臨床的危険因子の能力に優るのではないかと考え、以下のポイントに焦点を当てて検証した。

 ・出生時に常染色体の情報を利用して中年以降の糖尿病発症を予測することが可能か
 ・ジェノタイプ情報を家族歴に加えると糖尿病リスク予測精度は向上するか
 ・臨床的危険因子にジェノタイプ情報を加えると予測精度は向上するか。

 フラミンガム子孫研究に参加した5124人のうち、2776人を対象に糖尿病に関連することが示されている以下の18の一塩基多型(SNPs)のジェノタイピングを行った。臨床的危険因子に関する完全な情報と追跡データがあり、15個以上のSNPsについて解析結果が得られていた2377人を今回の分析対象とした。

 1番染色体上のNOTCH2遺伝子のrs10923931、2番染色体上のBCL11A遺伝子のrs10490072、同THADA遺伝子のrs7578597、3番染色体上のIGF2BP2遺伝子のrs1470579、同PPARGのrs1801282、同ADAMTS9遺伝子のrs4607103、6番染色体上のCDKAL1遺伝子のrs7754840、同VEGFA遺伝子のrs9472138、7番染色体上のJAZF1遺伝子のrs864745、8番染色体上のSLC30A8遺伝子のrs13266634、9番染色体上のCDKN2A/CDKN2B遺伝子のRS10811661、10番染色体上のHHEX遺伝子のrs1111875、同CDC123/CAMK1D遺伝子のRS12779790、同TCF7L2遺伝子のrs7903146、11番染色体上のKCNJ11遺伝子のrs5219、同INS遺伝子のrs5219、12番染色体上のTSPAN8/LGR5遺伝子のrs7961581、同DCD遺伝子のrs1153188。

 これらのアレル頻度はいずれも10%超で、一般的な多型だった。

 保有するリスクアレルの数に基づいてジェノタイプスコアを求めた。18 SNPsを一つも持たない場合をスコア0、全てのアレルをホモに持つ場合は36になる。

 糖尿病リスクを予測するロジスティック回帰モデルを作製し、ジェノタイプスコアを加えた場合と加えない場合の糖尿病リスクの予測精度を比較するために、C統計を用いてROC曲線下面積(AUC)を計算した。

 28年間の追跡で255人が糖尿病を発症した。発症者のジェノタイプスコアの平均は17.7±2.7、非発症者のスコアは17.1±2.6で、差は有意だった(p<0.001)。また、スコアが高い人々の累積罹患率は有意に高かった(p<0.001)。

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