日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
ACE阻害薬と併用するなら、利尿薬かCa拮抗薬か?
Ca拮抗薬併用群で心血管イベントリスクが2割減

 高血圧の治療において、どの降圧薬を組み合わせれば、降圧を越える利益が得られるのだろうか。米Michigan Health System大学のKenneth Jamerson氏らは、ハイリスク高血圧患者を対象とする無作為化二重盲検試験を行い、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬のベナゼプリルと利尿薬のヒドロクロロチアジド併用に比べ、ベナゼプリルとカルシウム(Ca)拮抗薬のアムロジピンを併用した方が、心血管イベントリスクが20%減少することを明らかにした。詳細は、NEJM誌2008年12月4日号に報告された。

 米国の高血圧治療ガイドラインは、利尿薬を治療レジメンに組み込むことを推奨している。しかし、利尿薬を含まない組み合わせが降圧に留まらない効果―例えば臓器保護作用など―も持つことを示した研究結果は複数あった。

 そこで著者らは、心血管イベント発生率の低減において、ACE阻害薬とジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の組み合わせが、ACE阻害薬とチアジド系利尿薬を併用した場合より有効であると仮定して、これを検証するACCOMPLISH(Avoiding Cardiovascular Events Through COMbination Therapy in Patients Living with Systolic Hypertension)試験を行った。

 5カ国(米国、スウェーデン、ノルウェイ、デンマーク、フィンランド)の548施設で、2003年10月から2005年5月まで、心血管イベントリスクが高い患者を登録。冠イベント、心筋梗塞、血行再建術、脳卒中の既往がある、腎機能障害がある、末梢動脈疾患がある、左室肥大がある、糖尿病があるといった患者1万1506人を組み込み、ベナゼプリル20mg/アムロジピン5mg(5744人、平均年齢68.4歳、女性が40%)、またはベナゼプリル20mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg(5762人、平均年齢68.3歳、女性が39%)に割り付けた。患者はいずれか2剤を含むカプセルを受け取った。

 割り付けから1カ月後にベナゼプリルを40mgに増量。血圧の目標値に設定された140/90mmHg(糖尿病または腎疾患がある場合には130/80mmHg)を達成するために必要であれば、当初3カ月の間に、アムロジピンは10mgに、ヒドロクロロチアジドは25mgに増量することを認めた。

 試験薬と同系の薬剤を除いた他の降圧薬(β遮断薬、α遮断薬、クロニジン、スピロノラクトン)の使用は可能とした。ループ利尿薬も投与を許可した。

 主要エンドポイントは、心血管死亡と、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、狭心症による入院、突然の心停止からの蘇生、冠動脈血行再建術施行(いずれも初回)を合わせた複合イベントに設定された。

 ベースラインの患者特性は両群間で同等。49.6%の患者がBMI30超で、60.4%が糖尿病だった。

 登録時に97.2%が降圧薬の投与を受けており、74.7%は複数種類の降圧薬を使用していた。しかし、ベースラインで血圧が140/90mmHg未満だった患者は37.3%に留まった。

この記事を読んでいる人におすすめ