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NEJM誌から
ロスバスタチンが脂質正常者の心血管リスクを44%減
LDL-c正常かつ高感度CRP高値の人を対象にしたJUPITER試験の結果

 通常はスタチン投与の対象にならない、LDL-コレステロール(LDL-c)値が正常域の中高年男女のうち、高感度CRP(hsCRP)値が高い人々にロスバスタチンを投与した二重盲検の無作為化試験で、予想を超える大きな利益が見られた。

 米Brigham and Women's HospitalのPaul M Ridker氏らは、NEJM誌2008年11月20日号に掲載された論文の中で、偽薬群と比較したロスバスタチン群の心血管イベントリスクは44%低かったと述べている。

 心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡の予防を目指す現行の治療アルゴリズムは、心血管疾患患者、糖尿病患者、脂質異常症患者へのスタチン投与を推奨している。だが、実は、心筋梗塞と脳卒中患者の約半数は、スタチンが適用されるレベルのLDL-c高値を示さない。

 LDL-cとは独立した心血管イベント予測因子として広く知られているのが、炎症のバイオマーカーであるhsCRP値だ。著者らは先に、スタチンが健常人や安定冠動脈疾患患者、急性冠症候群患者のhsCRPレベルを下げることを明らかにしていた。

 hsCRPの上昇はあるが脂質異常のない人々にもスタチンは有益であると考えた著者らは、主要な心血管イベントへの影響を調べるJustification for the Use to Statins in Prevention : an Intervention Trial Evaluating Rosvastatin(JUPITER)試験を26カ国1315施設で実施した。

 50歳以上の男性と60歳以上の女性で、心血管疾患の既往がない人々のうち、LDL-c値が130mg/dL未満、hsCRPが2.0mg/L以上で、トリグリセリドが500mg/dL未満の男女を登録。脂質降下薬の投与やホルモン補充療法を受けている人、糖尿病、高血圧(190/100mmHg超)、炎症性疾患、過去5年間の癌診断などを除外条件とした。

 4週間のランイン期間を設け、偽薬を投与し、服薬遵守率が80%超だった1万7802人を登録した。年齢の中央値は66歳、38.2%が女性、25.2%が黒人またはヒスパニックで、41.4%がメタボリックシンドロームだった。LDL-cの中央値は108mg/dL、HDL-cは49mg/dL、トリグリセリドは118mg/dLで、hsCRP値はロスバスタチン群が4.2mg/L、偽薬群が4.3mg/Lだった。

 8901人をロスバスタチン(20mg/日)、8901人を偽薬に割り付けた。

 主要エンドポイントは、初回の主要な心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、動脈血行再建術の施行、不安定狭心症による入院、心血管死亡を合わせた複合イベント)に設定。2次エンドポイントは、主要エンドポイントを構成する個々のイベントと全死因死亡とし、分析はintention-to-treatで行った。

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