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NEJM誌から
閉経女性の性的欲求低下にテストステロンパッチが有効
HRTを受けていない814人における無作為化試験の結果

 ホルモン補充療法HRT)を受けていない閉経女性において、男性ホルモンのテストステロン投与が性的欲求低下障害の改善をもたらすことが、オーストラリアMonash大学Alfred HospitalのSusan R. Davis氏らによる無作為化試験で示された。テストステロンパッチ300μg/日の投与により満足できる性的エピソードが有意に増加し、体毛の増加以外には治療関連有害事象は見られなかった。詳細は、NEJM誌2008年11月6日号に報告された。

 この二重盲検の無作為化フェーズIII試験は、米国、カナダ、豪州、英国、スウェーデンの65施設で2004年7月から2006年2月に行われた。

 対象は、手術によって閉経し1年以上を経過した20~70歳の女性と、自然閉経から2年以上経過している40~70歳の女性で、HRT(エストロゲン単独またはエストロゲン/プロゲスチン併用)を受けておらず、閉経後の性生活の変化について尋ねた5つの質問に対する回答に基づいて性的欲求低下障害と診断された患者。

 40歳以上の女性については登録前12カ月に受けたマンモグラフィーによる乳癌スクリーニングの結果が正常、全員について2カ月以内のpapスメアの結果が正常、子宮体癌または子宮内膜過形成はなく、性ホルモン結合グロブリン値は12nmol/L(正常域下限)を超えていること、さらに、性機能が正常な安定したパートナーと過ごす時間が1カ月の半分以上、などの条件を満たした女性を登録した。

 814人(平均年齢54歳)を、無作為にテストステロンパッチ(P&G pharmaceuticals社のIntrinsa)150μg/日(267人)、または300μg/日(270人)、もしくは偽薬(277人)に割り付けた。

 有効性は24週時に評価した。これまでに行われた研究が、テストステロンの効果は24週でプラトーに達すると報告していたからだ。安全性評価は52週全体を対象とした。

 主要エンドポイントは、過去4週間の満足のいく性的エピソードの回数をベースラインと24週時点で比較して求めた差に設定。

 814人のうち71%が24週の治療を終え、57%(偽薬群151人、150μg群147人、300μg群166人)が52週の治療を終えた。

 ベースラインでは、満足できる性的エピソードの頻度は全体の約50%だった。24週時には300μg群の性的エピソードは78%が満足のいくものになっていた。偽薬群では65%だった。

 24週時に、過去4週間の満足できたエピソードの回数は、偽薬群に比べ300μgテストステロン群で有意に多かった。300μg群では2.1回増加、偽薬群では0.7回増加(p<0.001)。150μg群では1.2回増加していたが、偽薬群との間に有意差は見られなかった(p=0.11)。

 満足できる回数の増加は治療開始から2カ月で認められ、そのまま24週時まで持続した。

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