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NEJM誌から
超低体重児にインスリンを投与しても利益なし
高血糖は減らすが低血糖イベントを増やし、死亡リスク上昇傾向も

 集中治療室に入院している成人を対象とする研究で、インスリン投与による血糖管理の向上が死亡率と有病率を減らすことが示されて以来、その利益に関する議論が続いてきた。英Cambridge大学のKathryn Beardsall氏らは、超低体重児に高血糖イベントが少なくないことから、生後1週間のインスリン持続投与が生存率と有病率に好ましい影響を与えると期待し、無作為化試験を行った。しかし、そうした治療を支持する結果は得られず、500人の患者登録を予定していたこの試験は、早期中止された。詳細は、NEJM誌2008年10月30日号に報告された。

 出生体重が1500g未満の超低出生体重児で、特に妊娠週数に比して体重が少ない小児の場合、高血糖の発生率は高く、20~86%と報告されている。高血糖は、合併症と死亡のリスクを高める。

 インスリン療法は新生児ICUでしばしば用いられるが、その利益を調べた前向き研究はほとんどなかった。これまでに得られた予備的な結果は、体重増加と敗血症リスク低減を示唆していた。そこで著者らは、超低出生体重児に対する早期インスリン補充が高血糖リスクの低減とアウトカムの改善に役立つかどうかを調べるため、オープンラベルの国際的無作為化試験を実施した。

 2005~07年に、英国、ベルギー、オランダ、スペインの8施設の新生児ICUで、出生体重1500g未満、ICUでのケアが必要な生後24時間未満の新生児を登録した。介入は7日間、追跡は本来の出産予定日まで行った。

 195人を早期インスリン投与群に割り付け、生後1日から7日まで、固定用量のインスリンアスパルトの持続的注入(0.05U/kg/時)を実施。対照群として、194人を標準的なケアに割り付けた。

 血糖の管理状態は持続的血糖測定により評価した。血糖値は、インスリン群では1時間ごとに記録し、安定化した時点で記録の頻度を6時間に1回に減らした。標準ケア群は少なくとも8時間に1回記録した。

 インスリン投与群では、正常血糖(72~144mg/dL)を維持するため、血糖値が72mg/dL未満になった場合に20%テキストロースを静注、47mg/dL未満の低血糖となった場合にはインスリンの投与を中断した。

 標準ケア群でも高血糖が認められた患者にはインスリン投与を行った。

 栄養は中心静脈アクセスを利用して補給した。

 主要エンドポイントは、本来の出産予定日までの死亡率に設定、intention-to-treatで分析した。

 インスリン群の患者に対するインスリン投与は、生後13時間(中央値)で開始されていた。標準ケア群でも69人が生後1週間にインスリンの投与を受けたが、投与開始は生後3日(中央値)だった。

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