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NEJM誌から
FGF-23レベルが高い腎疾患患者の死亡リスクは約6倍に
血清リン値など既知の危険因子とは独立した指標に

 腎疾患患者における線維芽細胞増殖因子23FGF-23)レベルと死亡リスクの関係を調べる前向きコホート研究の結果、血液透析開始時のFGF-23レベルが高い患者の死亡リスクは、FGF-23レベルが低い患者の約6倍であることが示された。米国Massachusetts総合病院のOrlando M. Gutierrez氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年8月7日号に掲載された。

 骨芽細胞から分泌されるFGF-23は、リンビタミンDの代謝の調節に重要な役割を果たしている。腎疾患患者では、2次的なFGF-23レベルの上昇が生じることにより、尿中へのリンの排泄が増え、腎臓における活性型ビタミンD3(1、25-ジヒドロキシビタミンD3)の産生が低下し、高リン血症が緩和されている可能性がある。ただし、こうしたFGF-23値の上昇が死亡リスクを低減するかどうかは明らかではなかった。そこで著者らは、透析開始時のFGF-23高値は死亡率上昇をもたらすのではないかと考え、これを検証するコホート研究を実施した。

 米国内1056カ所のFresenius Medical Careの透析センターで、2004~2005年に血液透析治療を開始した1万44人(平均年齢63歳、女性が45%)を登録。死亡した患者(15%)、腎移植を受けた患者(3%)、腎機能が回復した患者(4%)、別の透析センターに移った患者(12%)を除いた全員を1年間追跡するとともに、人口統計学的データ、併存疾患、生化学的検査結果、アウトカムなどの情報を収集した。

 まず最初に、コホート全体を対象に、死亡率と血清リン値との関係を調べた。血清リン値の平均は4.6±1.6mg/dL(1.49±0.52mmol/L)。血清リン値が正常(3.5-4.5mg/dL=1.1-1.4mmol/L)のグループに比べ、最高4分位群(5.5mg/dL=1.8mmol/L超)の患者では、多変量調整死亡リスクが20%高かった(ハザード比1.2、95%信頼区間1.1-1.4)。これは過去に行われた研究で報告された結果と同様だ。

 次に、FGF-23値と死亡率の関係を調べるために、透析開始から1年間に死亡した200人(平均年齢70歳、女性が47%)と、生存していた200人(同61歳、女性が46%)を対象に、ネステッドケースコントロール研究を行った。

 FGF-23の測定法には、この分子のC末端断片を検出する(完全長のFGF-23も同時に検出する)cFGF-23アッセイと、完全なFGF-23分子(iFGF-23)のみを検出するiFGF-23アッセイがある。著者らがこれらの測定値を比較したところ、結果は強力かつ直線的な相関を示した。cFGF-23レベルの中央値は1752RU(reference unit)/mL、iFGF-23レベルの中央値は713pg/mLで、相関係数r=0.74(P<0.001)。この結果を基に、以後の測定にはcFGF-23アッセイを用いた。

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