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NEJM誌から
脳梗塞後にテルミサルタンを2.5年投与しても脳卒中再発は防げず
PRoFESS試験の結果から

 脳梗塞を起こした患者に、一般的な降圧治療と共にアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)のテルミサルタンの投与を早期に開始し、2.5年間継続しても、脳卒中再発、心血管イベント発生、糖尿病の新規発症リスクは低下しないことが、二重盲検の多施設無作為化試験「PRoFESS」の結果、明らかになった。カナダMcMaster大学のSalim Yusuf氏らの報告で、詳細はNEJM誌電子版に2008年8月27日に掲載された。

 脳卒中の危険因子の中で最も強力なのは血圧上昇だ。脳卒中後、患者の血圧を低く維持できれば、再発リスクは下がる。一方で、レニン-アンジオテンシン系阻害薬について、降圧とは無関係に脳卒中再発を抑制できる可能性が示されている。ある小規模試験では、ARBを脳卒中後、間もない患者に投与すると、血圧低下が見られなくても、死亡率、心血管イベント発生率は下がることが示されていた。

 しかし、脳卒中後のARB投与の影響を調べたより大規模な試験の被験者は、脳卒中から早くて数カ月、遅い場合には数年経ってから登録されていた。早期に投与を開始すれば、より明確な利益が得られるのではないかと考えた著者らは、二重盲検の多施設無作為化試験「PRoFESS」を実施した。

 「PRoFESS」は、2×2 factorial試験で、アスピリン(25mg)+徐放性ジピリダモール(200mg)の配合剤を1日2回投与した群と、クロピドグレル(75mg)を投与した群を比較(こちらの結果も同日NEJM誌に論文発表。詳細は「脳卒中再発予防効果はアスピリン/ジピリダモールとクロピドグレルで差なし」参照)、同時に、テルミサルタン(80mg)とプラセボを比較する設計になっていた。データ解析により、抗血小板療法間を比較した結果と、テルミサルタンとプラセボを比較した結果の間に有意な相関は認められなかったため、この論文はテルミサルタンとプラセボの比較についてのみ分析している。

 この試験は、2003年9月11日から2006年7月14日まで、日本を含む35カ国695施設で、発症から90日程度までの脳梗塞患者2万332人を登録した。テルミサルタン80mg/日に割り付けられたのは1万146人(平均年齢66.1歳)、プラセボに割り付けられたのは1万186人(66.2歳)だった。全員に血圧管理のための投薬が行われたが、内容は担当医の裁量に任された。

 主要アウトカム評価指標は、あらゆるタイプの脳卒中の再発、2次評価指標は主要な心血管イベント(心血管死亡、脳卒中の再発、心筋梗塞、心不全の新規発症または増悪)と新規発症糖尿病に設定された。分析はintention-to-treatで行われた。

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