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NEJM誌
人工関節置換術後の血栓予防にリバロキサバンが有効
エノキサパリンと比較したフェーズ3試験の結果

 待機的な人工股関節全置換術人工膝関節全置換術を受けた患者を対象に、経口直接作用型の血液凝固第Xa因子阻害薬リバロキサバンと、低分子量ヘパリン製剤エノキサパリン血栓予防効果を比較した試験の結果、リバロキサバンの方が有効性が高く、有害事象は両者で差がないことが明らかになった。詳細はNEJM誌2008年6月26日号に掲載された。

 人工股関節置換術や人工膝関節置換術を受けた患者には、最短でも10日の抗凝固薬予防的投与が推奨されている。股関節全置換術の場合には、術後5週間投与すると、症候性と無症候性の静脈血栓塞栓症抑制効果が高くなると報告されている。

 現在、利用可能な、長期投与できる血栓予防薬は限られている。低分子量ヘパリンは有効だが、皮下注射が必要だ。ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬は、作用の予測が難しく、食品や薬剤との相互作用に注意しなければならない上、ヘパリンに比べ出血リスクが高い。

 そこで著者らは、経口直接作用型の血液凝固第Xa因子阻害薬リバロキサバンと、血栓予防に標準的に用いられている低分子量ヘパリン製剤エノキサパリンの長期的な血栓予防効果と安全性を比較するフェーズ3臨床試験を実施した。

人工股関節置換術を対象としたRECORD1試験の結果は
 このフェーズ3臨床試験の中で、待機的な人工股関節置換術を受ける18歳以上の患者を対象に行ったのが、RECORD1試験だ。今回、NEJM誌でRECORD1試験の結果を報告したのは、スウェーデンSahlgrenska大学病院のBengt I. Eriksson氏ら。

 RECORD1は無作為化二重盲検試験で、世界27カ国で2006年2月から2007年3月までに4541人の患者を登録して行われた。

 10mgのリバロキサバンを、縫合から6~8時間後以降、1日1回経口投与(2266人、平均年齢63.1歳)、または、40mgのエノキサパリンを手術の12時間前から1日1回皮下注射(2275人、63.3歳)のいずれかに割り付けた。リバロキサバン群にはプラセボの注射、エノキサパリン群にはプラセボの経口投与を行って盲検化した。投与は術後35日目まで継続(平均は33.4日)、追跡は投与終了日から30~35日目まで実施した。投与終了日の翌日に、両側静脈造影を実施し、深部静脈血栓症の有無を確認した。

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