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NEJM誌から
心房細動と心不全には洞調律より心拍数の管理が重要
心血管イベントリスクは同等

 心房細動うっ血性心不全がある患者を対象に、心房細動を予防するための洞調律管理が生存に好ましい影響を与えるかどうかを調べる前向き研究の結果、洞調律管理を行っても、心血管死亡、脳卒中心不全悪化のリスクは心拍数管理を目指した場合と同等であることが明らかになった。ただし、心拍数管理の方が除細動の再施行が少なく、入院の頻度も低かったことから、心房細動と心不全には洞調律より心拍数の管理が重要であることが示された。カナダMontreal大学のDenis Roy氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年6月19日号に掲載された。

 心房細動のある患者は、洞調律が維持されている患者に比べ予後が悪く、心房細動は死亡の独立した予測因子と見なされている。そこで、心房細動と心不全の患者には、洞調律の回復と維持を目的とする治療が行われている。しかし、このアプローチのリスクと利益が適切に評価されたことはなかった。

 著者らは、心房細動と心不全が見られた患者において、心拍数管理と調律管理の生存利益を比較する非盲検の多施設無作為化試験を行った。

 試験は、カナダ、米国、ブラジル、アルゼンチン、欧州、イスラエルで実施。2001年5月から2005年6月までに、以下の条件をすべて満たす患者を登録した。

1)登録前6カ月以内に測定された左室駆出分画が35%以下
2)うっ血性心不全の既往あり(登録前6カ月以内に、NYHAクラスII-IVの症候性心不全があった、または無症候性心不全による入院があった、もしくは左室駆出分画が25%未満)
3)心房細動の既往あり(6カ月以内に6時間以上持続するイベントを1回以上経験、または過去6カ月間に除細動を受けた、除細動歴があり過去6カ月間に10分以上継続する症状を経験)
4)長期的な治療が可能

 調律管理群には、以下の心房細動予防のための積極的な治療が行われた。
・抗不整脈薬で洞調律に改善が見られない患者には6週間以内に電気的除細動を実施
・心房細動再発時には、再度除細動を実施。洞調律維持にはアミオダロンを適用
・必要があればソタロールまたはドフェチリドを使用
・徐脈により抗不整脈薬が使用できない患者については、埋め込み型ペースメーカーの使用を推奨
・抗不整脈薬に反応しない患者には薬物療法以外の治療を紹介

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