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NEJM誌から
オピオイド誘発性便秘にメチルナルトレキソンが有効
約半数の患者で投与後4時間以内に便通あり

 病気が進行し末期となった患者のオピオイド誘発性便秘に対し、メチルナルトレキソンを皮下投与した無作為化試験の結果、約半数の患者で投与後4時間以内に便通が見られることが明らかになった。米国San Diego Hospice and the Institute for Palliative MedicineのJay Thomas氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年5月29日号に掲載された。

 末梢のμオピオイド受容体に拮抗するメチルナルトレキソンは、オピオイドの鎮痛作用を減ずることなくオピオイド誘発性便秘を改善すると期待されていた。

 オピオイド治療を受ける患者にとって、つらい有害事象の一つが便秘だ。下剤の効果は限られている上、思わぬ反応が生じる可能性がある。

 オピオイド誘発性便秘は主に、胃腸のμオピオイド受容体に仲介される。この末梢の受容体を選択的にブロックすれば、オピオイド鎮痛薬の中枢への作用を損なったり、離脱症状を引き起こしたりすることなく、便秘を改善できると考えられる。メチルナルトレキソンはナルトレキソンの誘導体だが、極性が高く脂溶性が低いため、血液脳関門を通過しにくい。

 著者らは、2004年2月28日から2005年10月16日まで、病気が進行した段階にあるオピオイド誘発性便秘患者を対象とする2週間の2重盲検試験を実施し、その後オープンラベルの延長試験を3カ月間行った。なお、試験の設計、データ収集、分析はProgenics Pharmaceuticals社が行っている。

 米国とカナダのナーシングホーム、ホスピス、緩和ケアセンター27施設で、余命が1カ月以上とされた18歳以上の末期患者の中から、2週間以上オピオイド投与を受けている患者を選んだ。安定用量のオピオイドを投与されており、下剤を3日以上投与してもオピオイド誘発性の便秘が改善しなかった(登録前の1週間に排便が3回未満で初回投与前24時間に臨床的に意義のある便通がなかった、または、初回投与48時間前に意義のある便通がなかった)患者133人を登録。無作為に、メチルナルトレキソン(0.15mg/kg、62人、平均年齢72歳)、またはプラセボ(71人、70歳)に割り付け、1日おきに2週間、皮下投与した。

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