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NEJM誌から
重症の慢性便秘にプルカロプリドは有効
フェーズ3試験で好結果

 重症の慢性便秘患者に、セロトニン4(5-HT4)受容体作動薬プルカロプリドを適用した無作為化試験で、12週間の治療により、残便感のない自発的な排便の回数を有意に増やし、症状を軽減して疾病関連QOLを向上させることが明らかになった。米国Mayo ClinicのMichael Camilleri氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年5月29日号に掲載された。

 米国民の14.7%が便秘といわれ、男性より女性に多い。重症の慢性便秘患者に下剤を長期的に投与する治療の効果と有害事象を評価した無作為化試験では、十分なエビデンスが得られていない。米国では2007年に、セロトニン4(5-HT4)受容体作動薬テガセロド便秘型過敏性腸症候群を適応として承認、発売された。しかし心血管イベントの増加が見られたため、米国内での販売は一時中止されている。

 プルカロプリドも5-HT4受容体作動薬だが、受容体に対する特異性が高い。腸蠕動促進作用を持ち、1日1回の経口投与で有効が示唆されていた。フェーズ2b試験の結果では、排便頻度と腸の機能に対する患者の満足度が、プラセボに比べ有意に高いことを示した。

 そこで重症慢性便秘患者に対するプルカロプリドの有効性と安全性、生活の質の評価を目的とし、2重盲検多施設フェーズ3試験を実施した。この試験は、米国内38の医療機関で1998年4月から1999年5月まで行われた。試験設計からデータ解析まで、Johnson & Johnson社が中心となって行ったが、結果は論文化されていなかった。データ解析に参加したベルギーMovetis社は、2007年になってから、学究機関の協力を得て試験のファイルとデータを再調査し、今回、論文発表することになった。

 試験の対象は、18歳以上の重症便秘患者。自発的な排便が週に2回以下の状態が6カ月以上続いており、便が非常に固い、または固く残便感があり、4回に1回はいきみが必要な患者を選んだ。

 試験期間中の下剤使用については、3日以上連続して排便がなかった場合にビサコジル15mgを服用し、効果がなかった場合に浣腸を用いるとし、他の下剤の利用は許可しなかった。

 628人の患者をプラセボ(213人)、2mgプルカロプリド(210人)、4mgプルカロプリド(205人)に割り付け、1日1回12週間投与した。割り付けられた薬剤を1回以上服用した620人(平均年齢48歳)を分析対象とした。ランイン期間中の残便感のない自発的な排便の頻度は、1週間に平均0.5回だった。

 主要エンドポイントは、12週を平均して、週に3回以上、残便感のない自発的な排便があった患者の割合に設定した。自発的な排便は、下剤を使用してから24時間を超えた排便とした。

 2次エンドポイントは、日記形式の自己申告(排便のタイミング、便の状態、排便時のいきみの程度、残便感、プルカロプリドとピサコジルを使用した日時)と質問票(便秘に関連する12の症状を評価するPatient Assessment of Constipation Symptoms :PAC-SYM、便秘関連の生活の質を評価するPatient Assessment of Constipation Quality of Life:PAC-QOL、一般的な生活の質を調べるSF-36)により評価した。有害事象と心血管系への影響も調べた。

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