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NEJM誌から
ACCORD試験とADVANCE試験、結果の差は何に由来するのか
大きく異なっていた血糖降下薬レジメンと血糖降下パターン

 心血管リスクの高い2型糖尿病患者の血糖管理をどう行うべきか―。2型糖尿病患者の血圧と血糖値の厳格な管理が血管合併症に及ぼす影響を評価するために実施されたACCORD試験とADVANCE試験は、異なる結果となった。今回、両試験の結果を報告した論文を2008年6月6日に同時掲載したNEJM誌は、エディトリアルで、結果の差がなぜ生じたのかについて考察している。

 両試験が対象としていたのは、いずれも心血管リスクの高い患者で、患者特性は似通っていた。目標としたHbA1c値には差があったが、達成されたレベルは同等で、ADVANCE試験が6.5%、ACCORD試験が6.4%だった。

 ベースラインのHbA1c値の平均には差があり、ACCORD試験の方が高かった(8.1%と7.5%)。この点についてADVANCE試験の著者らは、サブグループ解析でHbA1c値8.1%程度の患者群を対象に死亡率について評価したが、リスク上昇は見られなかった、と述べている。

 大きく異なっていたのは、血糖降下薬レジメンだ。ACCORD試験は、使用する薬剤に制限を設けず、用量や組み合わせの選択も担当医に任せていた。一方のADVANCE試験では、主にスルホニルウレア系薬剤のグリクラジドが用いられ、すべての患者に投与されていた。

 ACCORD試験で実際に投与された薬剤のうち、ロシグリタゾンが厳格管理群の90%、標準管理群の58%に適用されていた。AVANCE試験ではそれぞれ17%と11%だった。ロシグリタゾンについては、メタ分析で心血管リスク上昇が示されている(詳細は「ロシグリタゾンで心血管リスク上昇」)。ただし、ACCORD試験では、厳格管理群、標準管理群のいずれもロシグリタゾン使用による有意なリスク上昇は見られなかったと報告されている。

 インスリンの使用もACCORD試験で多かった。スルホニルウレアとインスリンの組み合わせも少なからず用いられていたようだが、これらの併用は低血糖リスクを高める。低血糖と心血管リスクの関係は明確ではないが、関連を否定することもできない。

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