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NEJM誌から
厳格な血糖管理で死亡率が上昇したACCORD試験の詳細は
迅速なHbA1c低下を目指したアプローチが原因なのか?

 HbA1c6.0%以下を目指す厳格な血糖値管理によって、心血管リスクが高い2型糖尿病患者の死亡率が上昇したとして、厳格管理群の試験を中止したACCORD試験。今年2月の米国国立心肺血液研究所(NHLBI)の発表から4カ月経ち、詳細な論文がNEJM誌電子版に2008年6月6日に発表された(2月の発表については2008.2.8「厳格な血糖値管理で死亡リスク上昇、ACCORD試験で」を参照)。報告したのは、米国Wake Forest大学のRobert P. Byington氏らThe Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Groupの研究者たちだ。

 ACCORD試験は、米国とカナダの77医療機関で行われた。2型糖尿病でHbA1cが7.5%以上、年齢40~79歳で心血管疾患の患者、もしくはアテローム性動脈硬化、アルブミン尿症、左質肥大、または少なくとも2つ以上の心血管危険因子を保有(脂質異常症、高血圧、現在の喫煙、肥満)のいずれかが当てはまる55~79歳の患者、計1万251人(平均年齢62.2歳)を登録。ベースラインのHbA1cの中央値は8.1%。38%が女性で、35%が心血管イベントを経験していた。

 厳格管理群(5128人)のHbA1c目標域は6.0%以下に設定。標準管理群(5123人)は7.0~7.9%を目標とした。血糖降下薬は指定せず、複数の薬剤の処方を可能とし、主治医が患者の反応を見ながら調整した。患者には血糖値自己測定器を提供した。

 主要エンドポイントは、初回非致死的心筋梗塞、初回非致死的脳卒中、または心血管死亡(心筋梗塞、心不全、不整脈、侵襲性心血管インターベンション、非心血管手術後の心血管イベント、脳卒中、他の血管疾患による死亡など)を合わせた複合イベントとした。2次エンドポイントは、全死因死亡、細小血管疾患、低血糖、認知力、生活の質などに設定された。

 データ安全性監視委員会からの勧告に基づき、今年2月に厳格な血糖管理が中止となった時点での追跡期間の平均は3.5年(中央値は3.4年)だった。厳格管理群および標準管理群ともに、割り付けから4カ月でHbA1c値は8.1%から大きく低下し、厳格管理群は6.7%、標準管理群では7.5%になった。1年後にはHbA1cの中央値は、厳格管理群6.4%、標準管理群7.5%となり、それ以降このレベルが維持されていた。

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