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NEJM誌から
ADVANCE試験では心血管死亡の増加は見られず
細小血管障害の抑制効果を確認

 2型糖尿病患者の血圧と血糖値の厳格な管理が血管合併症に及ぼす影響を評価するために実施されたADVANCE試験では、ACCORD試験とは異なり(2008.6.9 「厳格な血糖管理で死亡率が上昇したACCORD試験の詳細は」)、心血管死亡、全死因死亡の増加は見られず、腎障害の発生または悪化リスクが21%低減するなど、細小血管障害の抑制をもたらすことが示された。オーストラリアSydney大学のAnushka Patel氏らThe ADVANCE Collaborative Groupの報告で、詳細はNEJM電子版2008年6月6日に掲載された。

 ADVANCE試験の中で、降圧治療の有効性を示す部分は2007年6月に試験を終了し、その結果が2007年9月にLancet誌に報告されている(2007.10.1「ACE阻害薬と利尿薬の投与は糖尿病血管合併症リスクを低減」)。利尿薬とACE阻害薬の併用が有効で、ベースラインの血圧にかかわらず、厳格な血圧管理により、心血管死亡リスクが18%、全死因死亡リスクが14%減少したという結果だ。

 今回新たに論文として発表された、血糖降下の影響を調べた部分は、2008年1月に試験を終了していた。今回の分析で対象となったのは、アジア、オーストラリア、欧州、北米の20カ国、215施設で登録された、30歳以上で2型糖尿病と診断され、年齢が55歳以上、大血管障害または細小血管障害の既往があるか、または、それ以外の血管疾患危険因子を1つ以上持つ患者1万1140人(平均年齢66歳)。HbA1c値については、組み込み、除外のための条件を設けなかった。長期にわたるインスリン治療の必要性が明確な患者は除外した。

 対象患者は、HbA1c6.5%以下を目指す厳格な血糖管理(5571人)、または各国のガイドラインが掲げている目標HbA1c値を目指す標準的血糖管理(5569人)に割り付けた。

 厳格管理群の患者には、グリクラジド(放出調節製剤)30~120mg/日を投与。それ以外のスルホニルウレア系薬剤の使用は中止した。その他の血糖降下薬の選択、投与のタイミング、用量は担当医に任せたが、治療のプロトコールとして、受診のたびにHbA1c値を測定しグリクラジドの用量を調整、その後、メトホルミンチアゾリジン系薬剤、アカルボース、またはインスリン(基礎インスリンから開始)を追加、または増量する方法を推奨した。

 受診頻度は、割り付けから2週間後、1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、6カ月後、それ以降は3カ月ごとを原則とし、それ以外のタイミングでの追加受診を勧めて、細やかな血糖管理を目指した。標準管理群には、試験開始時にグリクラジドを投与し、治療継続が必要な場合には別のスルホニルウレア系薬剤を適用した。

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